今月の絵献立

「初花月の献立」理事 野澤 武(ホテル ザ・マンハッタン)

先附
  • 鱈は上身として一口大に庖丁し、塩を薄く当てて置きます。雲子は滑りを取り、昆布湯にて火を入れ裏漉しし、卵白をメレンゲにして合わせ塩にて当りを取り、鱈に掛けて蒸し上げます。ぽん酢を出汁で割り葛を引き、ぽん酢餡とし、シブレットと紅葉卸しを添えます。
前菜
  • 甘海老は殻を剥きます。酒盗を煮漉し葛を引いて酒盗餡とします。それらを和えて器に盛り付け白梅独活を添えます。
  • 助子は掃除して一口大に庖丁し、薄塩を当てて置きます。霜降りした後、針生姜を入れた地にて炊き、木の芽を添えます。
  • カリフラワーは庖丁し、スライスした玉葱と共にオリーブオイルを入れた鍋にて妙めます。出汁と牛乳を入れて炊き、塩と胡椒にて当りを付け、ミキサーにかけて板ゼラチンにて寄せ豆腐とします。卵黄にワインビネガーと砂糖・薄口醤油にて当りを取り、湯煎にて黄身酢を作ります。
  • 大葉百合根は水洗いして良く掃除をし、片栗粉をまぶして唐揚げにしました。柔らかく戻した鱶鰭、オイスターソース、鶏ガラスープ、ホワイトペッパー、砂糖を入れた地で炊いた鯖鰭を乗せ、共地にて餡を作り百合根に掛けます。
  • 鮟肝は皮や血管を取り水に晒し、塩を当てます。ラップに取り棒状に蒸し上げた後、桜チップを使い燻製とします。鮟肝を裏漉しした物に薄口醤油と煮切酒、煮切味醂にて当りを付けたソースを作り天に乗せ浅葱を添えます。
  • 蕗は板ずりし、湯をした後に皮を剥き、焼き梅を入れた塩八方の地にて、サッと炊きます。鱈の残った部分を湯をし、綿に入れ水の中で揉みほぐします。鍋に入れ二枚鍋にて煎り雪洞を作り、庖丁した蕗にまぶします。
吸物
  • 甘鯛は水洗いし、上身として塩を当てた後、天火にて焼きます。しゃぶ餅を甘鯛が半分見えるように乗せ、鏡大根の上に盛り付けて吸地を張り、蕨と柚子を添えます。
造り
  • 鮪は角作りにし、甘鯛は皮目を炙り、墨烏賊は庖丁目を入れて鳴門作りにします。三宝柑の上を庖丁し上に造りを盛り付け、器にクラッシュアイスを敷き三宝柑を盛り付け、あしらいを添えます。
焼物
  • 和牛の内もも肉を柵取りし、塩胡椒をして置きます。フライパンにて焼き色を付け、真空パックにて58℃のスチームコンペクションにて40分加熱し、ローストとします。筍は糠にて戻し、含ませて置き、こごみ、茶花は色出しし塩八方の地に漬けて置きます。うるいは生食できる物を選び、それらを盛り付け胡麻ぽん酢で提供します。
中皿
  • 蛸は良く滑りを取り、さっと茹で上げ丘上げとします。黒酢を熱した鍋に入れ、一割つめます。同割の鰹出汁と合わせ砂糖・少量のたまり醤油を入れ、真空パックにして3日程置きます。胡瓜は桂剥きにして立塩に浸け、金時人参は桂剥きにして色出しした後、甘酢に漬けます。蕪を卸し八方酢にて当りを取り霙酢とします。天に縒り独活を添えます。
煮物
  • 蛤は湯剥きし掃除をして置き、天豆は塩蒸し、芽キャベツは色出しし、ミニトマトは湯剥き、新馬鈴薯は蒸した後に素揚げ、パプリカは庖丁した後素揚げして置きます。蛤の出汁とオリーブオイルを合わせ、にんにくを妙め、タカの爪を入れた鍋に色良く盛り付け、固形燃料と共に提供します。
食事
  • 新唐墨の皮を剥き、庖丁して表面を軽く炙り、焼海苔も炙って手でちぎり、飯の上に乗せます。アゴ出汁で取った茶出汁を一緒に提供します。
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