今月の絵献立
- 先附
- 青柳は下処理した後、霜降りとします。うるい、こごみは茹でます。下仁田葱は串を打ち、少量の塩を振り、焼き葱とします。各品を適当な大きさに庖丁して器に乱盛りにします。
- 芥子酢味噌は、玉味噌、田舎味噌、芥子、酢、卵黄にて柔らかめの芥子酢味噌を作り、つぼの器に一人前ずつ入れて、お客様に召し上がる前に掛けていただきます。
- 前菜
- ピース豆は、塩と重曹をまぶし30分程置き、熱湯に塩を加えて豆を入れ、沸騰しない火加減で、じっくり火を入れます。火の通ったところで少しずつ水を加えて徐々に冷やします。冷めた後、出汁・砂糖・塩・薄口醤油にて含め、搾り生姜を最後に落とします。
- 湯葉は、柔らかな物を求め適当な大きさに庖丁します。胡麻酢クリームは、当り胡麻・砂糖・薄口醤油・土佐酢にて固さを調整しながら味付けし、天に土筆と三つ葉を添えます。
- 鮟肝は良く血抜きした後、一晩牛乳に漬けて酒蒸しにし、適当な大きさに庖丁して、有馬煮とします。
- さくら鱒は上身とし、骨を抜いて塩を当て、一晩置いて柵に取り、酢洗いをした後身を開き、身の内側に昆布茶を振り寿し飯にて棒寿しにします。牛皮昆布を巻き、一口大に切り分け飴酢を刷毛で塗り、桜の菓で包みます。
- お椀
- 鮎魚女(あいなめ)は上身とし、塩を当て骨切りをしてから葛打ちし、昆布出汁に落とします。
- 蕨は熱湯に灰(蕨の一割程)を入れて茹で、水にさらして灰汁を抜きます。
- 姫皮、椎茸は、細切りにし蕨と共に八方地にて含めます。
- 吸地にて鮎魚女を温め、各野菜を均一に盛付け吸地を張ります。
- 造り
- 桜小鯛は皮霜とし、削ぎ身にします。
- 赤烏賊雲丹巻は、烏賊の身を柵取りした後二枚開きにし、生雲丹、浅葱を芯に巻いてから烏賊雲丹巻きにします。
- 赤貝は鹿の子に庖丁を入れます。
- 焼物
- 蛤は国産の大きめの物を求め、殻から身をはずして口を切り水洗いします。蛤の身に小麦粉をまぶして、フライパンに油を引き、両面をさっと焼き酒を振り入れ八分程火を通します。擂りおろした慈姑(くわい)に出汁を合わせ、火にかけ下味をつけて手早く練り、上りに生クリーム少々を入れます。蛤を殻に戻し、減塩醤油少量を差して、練った慈姑をたっぷりと掛けます。
- その上に刻んだおかきと蕗の薹を散らします。コンペクションにて香ばしく焼き上げます。
- 煮物
- 筍は、皮付きのまま米糠、鷹の爪を加えた水で1〜3時間茹でます。庖丁した筍を酒・塩・薄口醤油で味を調え一気に炊き込んでいきます。上り間際にむき身の貝柱を入れ、八分火が入ったところで火を止め、器に盛り付けます。色出しした生海苔を出汁・薄口醤油・味醂・酒で味を調えた出汁に入れ、葛を引き生海苔餡とします。
- 強肴
- 活けのオマール海老は、殻から外して身が落ちついたところで四つ割りにし、一人前二切れを使用します。塩麹・海老みそ・オリーブオイルにて食味を付け、茹でたホワイトアスパラ、油通しした青赤長甘唐を交互に重ね、付け焼きとします。七分焼きで仕上げます。
- 蕗は板ずりして茹で、筋取りをした後、食べやすい長さに庖丁し、このこを千切りにし蕗の穴に射込みます。片栗粉をまぶし卵白にてみじん粉・黒炒り胡麻をまぶし、160℃の油でさっと揚げます。
- たらの芽はきれいに掃除した後、小麦粉をまぶし、炒った餅米を卵白にて付け、青みが残る程度にまぶし160℃の油でさっと揚げます。田舎味噌にてすすめます。
二〇二四年
十二月の絵献立
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二〇二三年
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