今月の絵献立

「如月の御献立」上席相談役 千田俊一(日本料理温石)

先附
  • 子持ち昆布は塩水に漬け、塩抜きをします。蕗はさっと茹でます。独活(うど)は皮を剥き、拍子木切りにし、酢水でさっと茹でます。蕨は灰あくを入れた湯で灰汁を抜きます。長芋は皮を剥き、拍子木切りにします。生姜は薄いへぎ切りにします。それらを食べやすい大きさに切ります。旨出汁は鰹出汁7、薄口醤油1、酒1を合わせ、鍋にて沸かして追い鰹をし、冷ました出汁に少し漬けて置き、食べる直前に盛り付けます。
前菜
  • 海鼠(なまこ)は掃除した後、茶振りをして柔らかく戻し、海鼠酢に漬け込みます。スライスして器に盛り、擂り卸した大和芋を天に落とします。
  • 鰯味醂干しは、鰯の頭を取り内臓を除き、手開きにして味醂・酒・濃囗醤油の同割の出汁で浸した後、ざるに乗せ、一味を振り陰干しとします。
  • 鮑大船煮は、大豆をひと晩水に浸けます。鮑は殼から外し鍋に水切りした人豆、鮑の身、昆布、昆布出汁を火に掛け、沸騰してきたら肝を加え、落し蓋をして鮑が柔らかくなってきたら濃口醤油・日本酒・砂糖を入れ、仕上げます。
  • 手綱鮨は、針魚(さより)を三枚におろして小骨を抜き、軽く昆布〆とします。巻海老は串を打ち、真っ直ぐになるように茹でて腹開きにします。胡瓜は桂剥きにし、軽く塩水に漬けます。それらをラップに海老、針魚、胡瓜を並べ、その上に鮨飯を乗せて巻きすで巻き、一口大に切ります。
  • 和牛味噌漬は、白粒味噌に味醂・酒・砂糖を合わせ、味噌床として和牛を漬け込みます。
  • 菜花は茹でて昆布〆とし、帯に磯の雪にて巻きます。
御椀
  • 牡蠣は身を霜降りします。柔らか目にした生身をラップに取り、中に牡蠣の身を入れて器のふちで形を整え、蒸し上げます。京人参は皮を剥き、へぎ切りとします。椎茸は鹿の子に庖丁を入れます。芽蕪は皮を剥いて茹でます。
造り
  • 羽太を水洗いし、三枚におろして上身とし、薄作りとします。鮪は柵に取り、そぎ作りとします。赤貝は殼を外し、水洗いをして鹿の子に包丁します。
焼物
  • きんきは三枚におろして塩焼とします。上りに鶏卵を塗り、上に小角に切った唐墨を乗せます。
  • 栄螺つぼ焼は、殼から身を外し、洗ってスライスし火に掛け、つぼ焼とします。上りに雲丹を入れます。
  • 人参カステラは、生身350g、黄身14個、全卵7個に人参を蒸してクイジナートに掛けた物200g、砂糖150gを合わせオーブンで焼き、梅形で抜きます。杏子は蜜煮とします。
油物
  • 雲子は水で良く洗い、霜降りをして平湯葉で包み、茶巾として下半分を天衣にて油で揚げます。
  • 毛蟹は茹でて足をバラし、大きな処の足の殼を半分剥き、白、黄、ピンクの三色の新挽粉を色良く合わせて付けます。愡の芽は黄身揚げとします。
煮物替り
  • ずわい蟹は茹でて身をバラします。伊勢海老は殼から身を外し、身は一口大に切って焼霜とします。蛤は殼を半分外します。蕪と筍と海老芋は食い味で炊いておきます。鍋に海老と蛤、筍、蕪、海老芋を入れます。出汁は吸地強の出汁にずわい蟹と水を切って荒目につぶした豆腐を入れ、味を調えて葛でとろみを付け、鍋汁とします。
食事
  • おこげは、炊いた白米を薄目にのばし、油で揚げます。先の煮物替の鍋が食べ終わったら、あつあつの鍋の汁に再度、葛を濃いめに引き、餡掛けとして上りにつゆ生姜をたらします。
デザート
  • 鍋に牛乳とほうじ茶を入れて煮出します。漉して茶葉を取り除きます。鍋に戻して火に掛け、砂糖を溶かして火から下し、粉ゼラチンを溶かし、粗熱を取ったら器に流し入れ冷まします。プリンの上に果実を乗せ、生クリームなどで飾り付けます。
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