今月の絵献立

「大寒の献立」副幹事長 山田 剛(横浜ロイヤルパークホテル四季亭)

先附
  • 出汁2升に対し、薄口醤油八勺玉1杯、味醂0.5杯を合わせた地、1合に対し雲丹25g、練り雲丹少々をミキサーに掛けます。その他160gに対し、卵1個をよく混ぜ合わせ、羽二重漉しして器に流して蒸します。小松菜は塩茹でし、氷水に落としてから水気をよく絞り、昆布出汁と太白胡麻油を少々加え、ミキサーに掛け、塩で味を調え、蒸し上げた茶碗蒸しに温めて張り、生雲丹、地漬した梅人参、山葵を天盛りにして供します。
前菜
  • 魴は上身にして適宜に切り出し、重量の1%の塩を当てます。塩が回ったら白味噌を甘酒で延ばした味噌床に程良く漬けて焼上げます。
  • 海老寿司は、熨斗串をした海老を出汁200cc、酒25cc、赤酒35cc、淡口醤油25ccの地で火を入れ、火が通ったら引き上げ、地を冷却してから戻し、半日程漬けます。その後、殼を外し、腹開きして甘酢漬の生姜を刻んだものと、焙り胡麻を混ぜ込んだ酢飯で寿司にします。
  • 慈姑カステラは慈姑を剥き、よく晒してから蒸して裏漉しします。裏漉しした慈姑600gに対して砂糖160g、塩4g、全卵4個、卵黄4個、生身60gをクイジナートで混ぜ合わせ、型に流してオーブンで焼き上げ、冷ましてから卵白を塗ってけしの実を振り、さっと炙り、型で抜きます。
  • 河豚皮は掃除して霜降りをして刻み、水と酒で炊いて程良く煮詰まったら淡口醤油・濃口醤油・味醂で味を調え、仕上げに絞り生姜を少々加え、型に流して冷やし固めます。
  • 白魚は、塩水に酒を加えた中に10分程漬けて笊に上げ、水気をよく拭き取り一本ずつよく片栗粉をまぶして余分な粉を払って束ね、海苔を巻いて油で二度揚げします。
  • 芹は、塩茹でしてよく水に晒してから水気を絞り、焙って荒めに刻んだ松の実と合わせて山葵醤油で和えます。
  • イクラは、下処理した筋子を土佐醤油と煮切り酒を同割で合わせた地で漬けます。
お椀
  • 蕪はしっかりと皮を剥き、卸し金で丁寧に卸し、水気を程良く切ります。卵白は固まりの部分と水っぽい部分があるので、分けて固まりの部分のみを使用します。今回はしっとりとした蕪蒸しに仕上げたいので、卵白は泡立てずに腰だけを切って卸した蕪と混ぜ、塩を少々加えて生地とします。鱈は、上身にした身に塩を当てたものを切り出して串を打ち、皮目だけ直火で焼目を付け、氷水に落とし水気をよく拭いておきます。焼目をつけた鱈に、先の生地を被せて蒸し上げます。お椀に蕪蒸しを盛り付け、薄葛を引いた吸地を蕪蒸しの上から張り、炙った干子と霰柚子を添えて供します。
造り
  • 鰤は上身にし、薄作りにして器に盛り、大根卸しに黄柚子胡椒を混ぜ、丸に取り、寸切りした芽葱と共に添えます。鯛はそぎ身、鮪は小角に切り出して盛り付け、酒と少々の塩で炊いた岩茸と芽甘草、山葵をあしらい、土佐醤油を添えて供します。
焼物
  • 柚子は大きめのものを選び、程良い部分で庖丁を入れ、身と蓋に分けます。身の部分は果肉を取り除き柚子釜にします。雲子は下処理したものを昆布湯で火を通しておきます。筍は糠戻ししたものを小角に庖丁し、出汁で含ませておきます。百合根はばらして掃除し、蒸しておきます。椎茸は焼いて庖丁しておきます。銀杏は塩茹でして薄皮を剥きます。金時人参は太めの千六本に切り出し、塩茹でした後、出汁で含ませます。縮み菠薐草は庖丁して塩茹でし、氷水に落とした後、水気を拭いておきます。グラタン生地は豆乳1Lに対してバター70g、薄力粉100gでベシャメルソースを作り、ベシャメルソース300gに対し、白味噌を50g混ぜ合わせます。先の材料に味噌ベシャメルソースを絡め、柚子釜に盛り込み、ソースを掛けて柚子釜の周りだけにアルミホイルを巻きつけ、200℃のオーブンで13分焼き、焼目が弱いようなら天火で焼目を付け、器に盛り供します。
煮物
  • 聖護院大根は皮を剥き、適宜に庖丁して鍋に入れ、昆布を差して落とし蓋をして直火炊きし、塩のみで味を調えます。捏ねは、合鴨5枚、地鶏1.5枚、大和芋150g、全卵2個分、酒2勺、淡口醤油3勺、白味噌大匙1に粉山椒を適宜に加えて混ぜ合わせ、出汁15杯、淡口醤油1杯、味醂1杯の地で丸に取ります。器に先の聖護院大根と捏ねを盛り、地漬した菊菜と針柚子を添えて供します。
強肴
  • 鮑は130g位の蝦夷鮑を用意し、磨いて塩回しして、2時間程蒸します。蒸した後、肝は外して羽二重漉しします。鮑は庖丁して殼に戻し、供する直前に蒸し器で温めて器に盛り、漉した肝を昆布出汁と酒で延ばして火に掛け、味を見て物足りないようなら塩で調整して先の鮑に掛けます。独活は桂剥きして髢に切りよく晒し、茗荷は針茗荷にし、三つ葉は塩茹でして寸切りします。それぞれを合わせて土佐酢で洗い、鮑に天盛りして供します。
食事
  • 御飯は昆布出汁で炊き上げます。湯葉は適宜に庖丁し、昆布出汁で温めます。茶碗に御飯をよそい、温めた湯葉を盛り、出汁6杯、濃口醤油・淡口醤油それぞれ0.5杯、味醂1杯の地に追い鰹を効かせた地を作り、合せ地8杯、吉野葛1杯で作ったべっこう餡を掛け、針海苔、山葵、蜆の赤出汁、香の物を添えて供します。
甘味
  • 林檎は皮を剥き、適度な厚さに庖丁してフライパンにてバターで焼きます。ある程度焼いたら砂糖と少々の蜂蜜を加えて火を入れていき、仕上げにカルバドス(ワイン)を加え風味をつけます。黄身百合根餡は、ばらして掃除した百合根を蒸して裏漉しし、重量の4割の砂糖と卵黄を加えて火に掛けて練り、仕上げに水飴を加えて羽二重漉しします。先の焼林檎を芯にして餡で丸に取り、求肥で包み、表面にさっと薄蜜を塗り、砕いた氷餅をまとわせ仕上げます。抹茶を添えて供します。
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