今月の絵献立
- 先附
- 蛸の柔らか煮は、大根で叩き下処理した蛸を酒4合、水4合、炭酸水1合、山サ1合、砂糖適量の合わせ地にて90分程、蒸し煮とします。夏大根は乱切りとし、煮干し出汁の吸地八方にて直炊きにし、仕上げた追い鰹で旨味と香りをつけます。オクラは色良く茄で地漬けします。
- 先の大根の煮汁を元に、辛子を溶いて薄く葛を引き、辛子餡を作り冷やしておきます。それぞれの材料を蓮の菓に盛り先の辛子餡をかけて供します。
- 前菜
- 温度玉子は、69℃の湯で30分程かけて固め黄身を取り出し薄塩をあておきます。出汁9、薄口醤油1、味醂1.5の美味出汁餡をはりつぼくれて共します。
- 檸檬寄せは、れもんを釜にくり抜き、生雲丹、岩茸とトマト、生ハムに分けゼリー地を蒸し固めます。
- 伊勢内子焼は、ぐるむきにした伊勢海老の芽を天火にて火を通し、初夏の頃に作りおいた伊勢子の塩辛を、卵黄でのばした物をぬって焼き上げます。
- 火取り烏賊は、煽烏賊を作に取り、塩をあて細かく庖丁目を入れて焼き上げます。
- 笹巻黒糖豆腐は、水2L、黒糖300g、葛275gを合わせ、火にかけて練り上げ流し固め、適当な大きさにちぎり笹で巻きます。
- 椀替り
- すっぽん茶碗蒸しは、下処理をしたすっぽんと水、酒、昆布、長葱、生姜を鍋に入れスープを取ります。残った身は、骨りほぐし酒・味醂・薄口醤油にて味を調え煮ころがします。
- 次に、すっぽんのスープ2.5合に全卵2個を溶き、漉して味を調え玉地とします。
- ふかひれは鳥ガラスープにて蒸し煮とし、下味を付けておきます。
- 先の玉地にすっぽんの身を適量入れ、茶碗蒸しにしてふかひれをのせ、すっぽんのスープで作った鼈甲餡を張り、露生姜、芽葱をあしらい供します。
- お造り
- お造りは、冷たいお造りと温かいお造りの二皿を用意します。冷たい方は、笠子を洗いにし山葵醤油で、温かい方は、焼いた石の上に骨切りした鱧をのせ、軽く焙って、熱々に梅肉醤油を添えて供します。
- 台の物
- 台の物は、地物の栄螺を蒸し煮にします。次に肝は裏漉しして玉子の素でのばし、味を調え肝だれとします。身の方は掃除をして適当に庖丁し、先の肝だれをからめて再び殻に戻しオーブンにて焼き上げ盛り込みにて供します。
- 揚物
- 夏野菜煎餅は、火を通してバラした枝豆ととうもろこしに打ち粉をしながら叩き広げ、煎餅にして揚げます。
- 車海老はのし串を打ち、生揚げにして海老の塩を添え供します。
- 食事
- 冷し梅素麺は、梅干しを程良く塩抜きし鰹出汁にて含ませます。掛け出汁は、薄めの吸地あたりとし、先の梅干の塩気とのバランスを取りながら味を調えた後、良く冷やしておきます。
- 茄でた素麺に先の掛け出汁、煮梅干、千切り胡瓜、大葉をあしらい供します。
- デザート
- 西瓜のみぞれは、適当な大きさに切り種を取り除いた西瓜を冷凍庫で凍らせておき、後にクイジナートにかけ、エスプーマベースでなめらかに柔らかさを調節し、甘めの吟醸酒で香りをつけてみぞれとします。後、小舟に切った西瓜の上から先のみぞれをかけ、岩塩を添えて供します。
二〇二四年
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二〇二三年
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