今月の絵献立
- 前菜
- 小芋は米のとぎ汁で柔らかくもどし、白煮とします。
- 南瓜は銀杏(いちょう)の型で抜き、八方出汁で炊きます。
- 隠元は色よく湯がき吸地に漬けます。
- 茄子は焼き茄子とします。
- 人参は紅葉の型で抜き、八方地で炊きます。
- 松きの子は素焼きとして、たて半分に庖丁します。
- 黒鮑は圧力鍋で大根と共に柔らかくもどし、万年煮とします。
- 胡麻酢は豆腐と当り胡麻・白味噌で調合し、砂糖・薄口醤油・味醂・塩で味を調えます。
- 無花果(いちじく)は皮をむき8分の1に庖丁します。
- 器に材料を盛り付け、胡麻酢をかけ、振り柚子し、天盛りに素揚げした針牛蒡を盛り付けます。
- 渡り蟹は塩茹でして、あら目に身をほぐしておきます。土佐酢にもどしたゼラチンを加え、火にかけてゼラチンを煮溶かします。冷めたらレモン汁を加え固めます。猪口に蟹のほぐし身を盛り、その上に叩きオクラをのせ、上からレモンジュレを掛け花穂を散らします。
- 穴子は開いて煮穴子とし、黒米のシャリで穴子寿しとします。
- クリームチーズ120gに卵3個、牛乳300cc、砂糖60gを鍋に入れ、火にかけます。全てがなじんだら15cm四方の流し缶に流し入れ、最初の1分ほど強火で、表面に膜を作り、弱火にして20分ほどゆっくり蒸し上げ、冷めたら公孫樹(いちょう)の型で抜きます。
- 銀杏は油で揚げ塩を打ちます。
- 鯛の上身を5gに庖丁して、片栗粉をまぶしながら当り棒で伸ばし、油でゆっくり揚げます。
- 温物
- 卵2個と鳥スープ1合と白出汁2合を合わせ、薄口醤油・味醂で味を打ちます。器にもどして味を付けた蕪と銀杏を入れ、玉地を流し入れ蒸し上げます。
- 虎魚(おこぜ)は上身にし、5mm間隔で隠し庖丁を入れ、出汁17杯、味醂1杯、酒0.5杯、薄口醤油1杯の割合で合わせた出汁を鍋で沸かし、葛打ちした虎魚を入れ火を通します。蒸し上がった玉地蒸しの上に虎魚を盛り、虎魚を炊いた出汁に薄葛を引いた出汁を少量かけ、三つ葉を天盛にします。
- 御造り
- 紅葉鯛の腹身に1mm間隔で隠し庖丁を入れ、塩をふり、ガス台の火で皮目を炙ります。炙った鯛の皮目に胡麻油を刷毛でぬり、今度はわらで炙り香りを付けます。
- 背身は皮を引き、大き目の薄作りにします。太刀魚は上身にして隠し庖丁を入れ一口大に庖丁します。赤西貝は殻から外し内臓を取り外して強霜し、スライスします。それぞれを器に盛り込み、塩叩きは天盛りに白葱と茗荷の千切りを盛り、酢橘を添えます。
- 蓋物
- 赤じゃがは皮付のまま湯をして火が通ったら温かいうちに皮を剥き、裏漉します。ボールに移し、卵黄、砂糖少々、塩少々、片栗粉少々で味を調えて、1個30gの大きさに丸くします。丸くした赤じゃがは、小麦粉を打ち、卵白をくぐらせ柿の種をくだいた物をまわりに付けます。鮭は骨切りとし、葛粉を打って、出汁18杯、酒1杯、薄口醤油0.8杯、しょっつる0.2杯、味醂一杯の割合の沸かした出汁にて、さっと炊きます。菊菜は菜の部分を色よく湯がいて吸地に漬けます。乾燥玉葱をフードプロセッサーで、あらみじん程度に砕き、160度の油で素揚げにし玉葱粉とします。器に油で揚げた赤じゃが饅頭を盛り、その上に鱧の葛煮と菊菜を盛り、葛餡を掛け玉葱粉を散らします。
- 替り鉢
- 牡蠣は身を外し、卸し大根でよく洗い、水気をよく切ります。フィロー生地をよくほぐして10cm角に広げ、小麦粉と溶き卵にくぐらせた牡蠣を、巻き寿司の要領で包み込みます。車海老は背腸を取り殻をむき竹串でつの字にして素揚げします。彩りサラダは、紅芯大根の千切りと水菜、赤玉葱のスライス、白髪葱を和えます。ソースはトマト卸し200g、すり卸し林檎100g、砂糖100g、米酢50ml、白醤油25ml、黒胡椒5g、玉葱卸し5g、塩30g、カラメル30ml、白味噌5gで調合します。牡蠣フィローを170度の油でからっと揚げ、車海老素揚げ、サラダと盛り付けます。
- 肉料理
- 峠下牛300gは5cm角に柵取りし、塩・胡椒をして20分ほど置きます。長葱1本と大葉10枚を粗みじん切りにします。柵取りした肉はフライパンで肉全体を焼き、熱湯にくぐらせます。酒大匙3杯、濃口醤油大匙2杯、水大匙3杯をフライパンで煮立たせ、先の長葱と大葉を入れ、肉も入れて、煮汁を絡ませます。ボールをかぶせて、そのまま弱火で10分火を通し、肉は取り出し、煮汁に水あめ大匙1を加えて仕上げます。栗味噌は蒸してペーストにした栗を3に対し合わせ味噌1、玉味噌0.5を調合し、栗味噌とします。網牛蒡は千切りにした牛蒡に片栗粉をまぶし、油で揚げます。レモンシャーベットは、砂糖10gを卵白と泡立て、冷蔵庫で冷やしておきます。水200ccと砂糖50gを火にかけ、溶けたら冷まし、レモン汁80ccと合わせて冷蔵庫で五割ほど固め、先ほど泡立てたメレンゲとレモンの皮のすり卸しをざっくり合わせ、冷蔵庫で固めます。
- 御食事
- 焼鯛のとろろは、塩焼きにした鯛の上身と丸つくね芋のすり卸しを合わせ、いりこの出汁、濃口醤油で味を調えます。
※松きの子 広島のきのこ園で取り扱いがあり、見た目は松茸のようで、香りはきのこ本来の匂いがし、食感はしゃきしゃきしている木の子です。