今月の絵献立
- 先附
- 毛蟹は2.5%の塩分濃度の湯で茹でて冷まし、殼を外します。外した身を蕪の甘酢漬で巻き、切出します。万願寺唐辛子は半割りして種を取り、油でさっと揚げて出汁6、淡口醤油1、味醂1の地に漬け、味が馴染んだら庖丁して先の奉書巻と共に器に盛り付け、錨防風を添え、生姜酢を張り供します。
- 前八寸
- 鮎は表面のぬめりを取るように洗い、拭きあげ、べた塩をして3時間置き、塩を洗い落とし、表面を両面さっと焼き、深めのバットに入れ、かぶる位の油を注ぎラップで密封して4時間蒸します。冷ました鮎を庖丁し、油切りをして冷し粥を乗せ、梅肉、柴漬を添え、蓼の葉をあしらいます。
- 無花果は皮を剥いて切り出し、水切りした木綿豆腐3丁、砂糖100g、塩15g、淡口醤油12g、当り胡麻少々、マスカルポーネチーズ大さじ2杯、千鳥酢60gで作った白酢を掛けます。
- 玉蜀黍は剥いて小麦粉をまぶし、濃い目の天婦羅衣を少量加えて丸に取り、油で揚げます。
- 鰻は割いて帯状に切り出し、新牛蒡を出汁10、淡口醤油1、味醂1の地でさっと炊いたもので巻き、串を打ち、まんべんなく焼いて20分蒸し、鰻たれで焼き上げ、粉山椒を振ります。
- 鮑は磨いて塩を振り、30分程馴染ませてから大根を乗せて4時間蒸し上げます。
- 白瓜は塩磨きして天地を落とし、筒抜きで種を取り、塩をして馴染ませてから俎板の上で押し転がし、その後、帯状に庖丁して2%の塩分濃度にした食塩水に昆布を差し、漬けます。程良く漬かったら冷蔵庫内にて干し、水分が抜けたら庖丁して糸賀喜をまぶします。
- 茗荷は酢を入れた湯で茹で、陸上げして塩を振り、冷めたら甘酢に漬け、甘酢が馴染み赤く発色したら庖丁します。
- 玉蜀黍のかき揚げ、鰻八幡巻、白瓜雷干しは鬼灯に盛り、他の食材と共に器に盛り込みます。
- お椀
- 長茄子のへたの部分を切り落とし、中心部分に箸を剌します。170℃の油で揚げて火を通し氷水に落として皮を剥き、しっかりと冷します。セルクルを用意し、内側にぴったりと貼り付けられるように長茄子を高さ、幅を合わせて切り出します。胡麻豆腐は昆布出汁7合、酒1合、葛粉150g、純白当り胡麻0.5合、塩5gで合わせて羽二重漉しして、練り上げ、先のセルクルに貼り付けた長茄子に葛粉を打ち、流して冷し固めます。盛り付ける際は、蒸して温めてお椀に盛り、生雲丹を天盛りし、吸口は柚子とします。周りに笹切りした隠元と、色出しした蓴菜をあしらい、吸地を張り供します。
- 造り
- 加賀太胡瓜は、半割りにして果肉を程良くくり抜き、精霊馬に見立て器として使用します。石鰈は上身を剥き身にして流水で洗い氷水で締めます。車海老は頭を外し、のし串をして油霜します。それぞれを先の加賀太胡瓜に盛り付け、土佐醤油、梅肉醤油を添え供します。
- 焼物
- 太刀魚は水洗いして三枚におろし、上身にして切り出し、串を打ち、魚たれで掛け焼きして仕上げに粉山椒を振ります。出汁巻玉子は卵10個に、吸地を1合加えてよく溶きほぐし、巻鍋で焼き、適宜庖丁して器に盛り、上に先の太刀魚を重ね盛りし、染卸しと谷中生姜の甘酢漬を添えて供します。
- 煮物
- 冬瓜は皮を剥き、7~8cm程度の正方形に切り出し、厚み5mm位になるよう、切り揃え、表面に細めに格子状に包丁目を入れ、程良く茹でます茹で上がったら氷水に落として冷まし、冷えたらタオルを挟み、軽く手で押して繊維をつぶすように水気を取ります。鴨は掃除をして脂身も程良く取り、ミンチにします。鴨のミンチ300gを用意し、半量を鍋に入れ、酒少々、濃口醤油少々を加えて合わせ、火にかけてそぼろ上にします。火が通ったら笊に上げ冷まします。この時に出た地は取り置き、後で炊く際に加えます。残りの鴨肉に全卵の溶いたもの0.5個分、濃口醤油5cc、味醂20cc、酒10cc、塩少々、卸した仏掌薯大さじ1杯で合わせ、よく馴染んだら先のそぼろを混ぜ合わせます。水気を取った冬瓜に鴨の捏ねを乗せてガーゼで丸く包み糸で繰り、出汁15杯、酒1杯、薄口醤油1杯、味醂0.5杯、先のそぼろ状にした時に出た地を合わせて冬瓜を炊きます。盛り付ける際は、冬瓜と焼葱を同じ地で炊いたものを盛り、共餡を掛け、桂剥きして刻み、出汁で炊いた牛蒡、花山椒をあしらい供します。
- 酢物
- 鯵は水洗いし、三枚におろして上身にし、軽めのべた塩で2時間置いてから塩を洗い流し酢に20分漬けて適宜に包丁します。水茄子は皮を剥き、6等分のくし形に包丁し、真空袋に入れて、そこに塩当たりを付けて昆布出汁にかぼす果汁を効かせた地を注ぎ入れ真空に掛けます。フルーツトマトは皮を剥き1/4に包丁します。ジュレは出汁6、トマト水6、薄口醤油0.5、千鳥酢1、塩少々を合わせてひと煮立ちさせ、その他1合に対しゼラチンを3g加えて冷やし固めます。鯵、水茄子、フルーツとまとを器に盛り、ジュレを掛けて花穂と木の葉生姜をあしらい供します。
- 食事
- 穴子は割いて一杯醤油で洗い、天火で焼きます。骨は良く晒してから、こんがりと焼き、水と酒、昆布で出汁を取ります。出汁と穴子の出汁を同割で合わせて、合せ出汁15杯、淡口醤油1杯、酒1杯、味醂0.5杯で飯地を作ります。土鍋に洗い米を入れ、米と同量の飯地を注ぎ、太白胡麻油で炒めた笹がき牛蒡を加え、火に掛けて炊きます。仕上がる少し手前に焼穴子を加え、炊き上がりに酒を少々回し掛けます。仕上げに焙り胡麻と茹でた糸三つ葉をあしらい供します。
- 水菓子
- 枝豆は塩ずりしてよく洗い、6~7分茹でます。茹で汁は取り置きます。枝豆を房から外し、豆250gに対し茹で汁4勺玉3杯を加え、ミキサーに掛けペースト状にします。ペースト150gに砂糖30g、豆乳30gを混ぜ合わせずんだ餡とします。水250g、蕨粉50g、砂糖50gを合わせ、火に掛けて練り、仕上げに枝豆ペースト60gを加え、よく練り合わせます。一口大ずつスプーンで取り、氷水に落とし冷やします。器にずんだ餡を敷き、その上に蕨餅を盛り、きな粉を掛け、黒蜜を添えて供します。
二〇二四年
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二〇二三年
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