今月の絵献立

「重陽(菊慈童)」理事 菊池光雄(松島)

先附
  • マスカットは皮と種を去り、白ワイン・砂糖で味噌床を加減して漬けます。
  • 海老は丸く串打ちして芝煮にします。冷めたら皮を剥いて半身に庖丁し、温泉玉子の黄身を適量包んで手毯にします。流し缶に固めの寒天地を流し、固めて丸く抜き、マスカットと海老を詰め、寒天とゼラチンで流し固めた後、抜き取ります。この二種を菊の菓にのせ、菊慈童の謂(いわ)れに因み、寿命を願う一品とします。
凌ぎ
  • 餅米は洗って2時間ほど浸し、水気を切って少し芯が残るように蒸します。一度冷まし、昆布出汁・酒を合わせ、塩で味を調えた地で洗って蒸します。新銀杏は色よく湯がいて塩水に漬け、先の白蒸しと適量に合わせて温め、器に盛って火取りこの子を天盛りし、木の芽を添えます。
小吸物
  • 鱧は器に合わせて骨切りし、三同割で洗って唐揚げした後、吸地で洗って椀に盛り、焼葱を添えて丸仕立てに仕上げ、露生姜を落とします。
向附
  • 鯛、鮪、煽り烏賊(あおりいか)はそれぞれ下処理をして上身に仕上げ、形よく庖丁し、器に合わせてきれいに盛り付けます。
焼物
  • カマスは三枚におろして上身にし、三同割の地で洗って三時間ほど陰干しします。
  • 椎茸は放射状に庖丁目を入れ、酒・塩を少し振って焼巻繊(笹掻き牛華、人参、木耳、百合根、三つ葉を薄口醤油・味醂・塩で炊き、玉子で綴じたもの)を包み、菊花に絞ります。
  • 甘酢に漬けたはじかみを添え、両妻で焼き上げたカマス、椎茸を盛ります。
煮物椀
  • 甘鯛は上身にして器に合わせて庖丁し、塩を当てて霜降りにします。菊莱を湯がいて地漬けにし、卵白で洗って甘鯛にのせて蒸し上げます。色紙に切っ た豆腐は薄葛を敷いた吸地で温め、お椀に盛って甘鯛をのせます。蒸したときの地と適量の出汁を加減し、椀種六、加減汁四の割合で張り、おろし生姜を天盛りにします。
酢肴
  • 牛ロースは80度くらいのお湯で霜降りにします。湯がいて地漬けにした水莱、焼いて適当な大きさに割いた松茸を合わせ、牛ロースにのせ、ボン酢を適量回し掛けます。
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