今月の絵献立

「文月の献立」理事補 新井 徹(目黒雅叙園)

前菜
  • 鱚を三枚におろし骨を抜き、棒状に庖丁をします。牛蒡は、筒状にし、ぬか水で戻して水で晒し、鱚を巻き串を打ち、酒1杯、薄口醤油1杯に実山椴の叩いた物を入れた地で鱚を掛け焼し、山椴焼とします。
  • とまとの皮を湯むきし、裏漉しにかけて置きます。2合の水でゼラチン1枚を煮とかし、とまと1、ゼラ地1で合わせ塩で味を調え、ピータンと共にラップで茶巾に取り冷し固めます。器に漉したとまとひき、固めた物を盛りとまとピータンとします。
  • 長芋を小角に庖丁をし、酒1合、酒盗1合を合わせ煮切って冷します。その地に長芋を10分程漬け、天火で炙り酒盗焼とします。
  • 棒蟹を重ね、独活(うど)と胡瓜を桂むきにし、色出し程度塩ゆでをし冷した物で巻き庖丁します。白酢は、絹豆腐を1にヨーグルト3を合わせ、塩・薄口醤油を少し加えて味を調え絹漉しした物を、蟹の上に掛け白酢掛けとします。
  • 鶏を塩と黒胡椒で焼き庖丁をします。ブコーのチーズで鶏を包み、パン粉にパセリ粉、バジル粉を入れた物をまぶして180℃の油でこんがりと揚げます。
  • 床節をみがいて塩をあて、2時間蒸します。ポテトは皮をむいて蒸した物を裏漉しし、エスカルゴバターと塩で味を入れ、少量の餅粉を入れて掃除した床節にまぶし、180℃のオーブンで焼き上げます。
  • 川海老を180℃の油で揚げ、塩をあてて川海老素揚げとします。
椀盛
  • 寄せ蜀黍は、鱧をおろして皮を引き庖丁で叩いて当り鉢で当たり、裏漉しをし、昆布出汁でのばしながら当たり、塩と薄口醤油で昧を調え少量の玉子の素を入れ生地を作ります。玉萄黍を桂剥きの要領でばらした物と生地と合わせて丸め、180℃の油で揚げ、寄せ蜀黍とします。先の鱧とは別の物を用いて開き、骨切りをし片栗粉を打ち、湯に昆布・酒・塩を入れ湯をします。お椀に寄せ蜀黍と鱧、蓮草を盛り、葛水仙をかけて椀盛とします。
造り
  • 氷皿は、風船に水2kg入れ下血をかまして口の部分をつり上げて4時間半、冷凍庫に入れて固め、半分より下で切り、水を抜いてバナーで型を整え氷皿とします。鮪は、柵取りをして重ね切りにします。鯛は三枚におろし、上身にして皮を引きそぎ切りにします。青利烏賊は、わたを取り掃除をし皮目に庖丁目を入れ、火取り庖丁をします。氷皿に青竹のすのこを敷き、刺身を盛り造りとします。
焼物
  • 福子は三枚におろし、骨を抜き、そぎ身にして片妻に串を打ち、その上に生雲丹をのせて三同割でかけ焼きし、雲丹焼とします。館茄子は、丸茄子を半分に庖丁し中を四等分にくり抜き160℃の油で中身と皮を揚げ、館茄子とします。身は少しつぶして串を打ち、生うにをのせて福子同様かけ焼きします。互いを館茄子に盛り、はじかみを添えてうに焼とします。
煮物
  • 芋餅は、石川芋を洗い皮を剥き、蒸して裏漉しをし芋の2割の餅粉を混ぜ合わせ、塩で下味を付けて丸に取り15分ほど蒸し器で蒸します。蛸は、掃除をし1日冷凍をしてから解凍し、霜降りをし水・酒・濃口醤油・砂糖で地を作り蒸し煮にします。
  • 南瓜あんは、南瓜の皮を剥き、蒸器で火を入れ絹漉しをします。鍋に南瓜と当り胡麻、鰹出汁を入れ、片栗粉であんをひき砂糖・濃口醤油・味醂で味を調えて南瓜あんとします。器に芋餅・蛸・ミニオクラを盛り、南瓜のあんをかけ煮物とします。
油物
  • 蓮根射込みは、少し大きめの蓮根の皮を剥き穴に沿って縦に柵取りをし水にて晒します。枝豆は、塩茹でをして甘皮を取り、裏漉しをして1割の生身と合わせ生地を作ります。黄身も同様に湯をし、黄身を裏漉しして生身を合わせ生地を作ります。
  • うずらは、2羽分の挽肉と300gの鳥挽肉を合わせ長葱と大和芋を入れて当り鉢で当り、塩で下味を付けて生地を作ります。各々を蓮根の穴につめ、庖丁をし片栗粉を付けて180℃の油で揚げ、蓮根の射込み揚げとします。
食事
  • 変り蕎麦は、更科粉を湯ごねし、つなぎ粉を入れて仕上げ、梅肉を入れ練りそばを打ち梅そばとします。
  • 青のりそばは、梅そば同様青のりを入れてそばを打ちます。
  • 薬味は、長葱・山葵・きざみのりを添えます。
デザート
  • 甲州ぶどうは皮を剥き、種を取り1/8に庖丁します。
  • ワインゼリーは2種類作ります。一つ目のワインゼリーは牛乳2、生クリーム1、白ワイン1を合わせた物にグラニュー糖を加え、板ゼラチンを煮溶かし、先のぶどうを合わせ、器に流し冷し固めます。
  • 二つ目のワインゼリーは、水で戻した板ゼラチンを湯煎に掛けて溶かし、そこに甲州ワインを加え、とろみがつく程度の柔らかいゼリーを作ります。
  • 器に流したワインゼリーの上に、二つ目のゼリーを掛け、セルフィーユを乗せ供します。
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