今月の絵献立

「師走の冬景色」湯川泰彰(金谷城スポーツセンター)

先附
  • 巻海老は背腸を抜き、塩茹でして頭と尾を取り、上身にして土佐酢で洗って置きます。占地、水菜は吸地しんみりに漬け置きます。林檎は網の目に切り立塩に漬けます。
  • 松の実はひたひたの土佐酢に漬け柔くなれば、良く当り裏漉し玉味噌を少し入れクリーム状にします。以上を水気を取り松の実クリームと和えます。
前八寸
  • 少し塩気の残る白オゴ海苔を鳥の巣に見立て、蜜煮にした杏子を盛り付けます。
  • 唐墨と大根は角に切り市松にします。
  • 細魚(さより)は上身にし塩を当てた後、米酢に昆布、少量の砂糖を入れた酢に浸けます。板干柿と細魚を博多にし、白板昆布を巻き、切出して天盛に黄身酢を掛けます。(白板昆布は銅鍋にて酢1、砂糖0.5の地で焚き淡く色がつくように)
  • 魴(まながつお)は西京味噌に1日漬け込み串に打ち、焼上げ、氷餅を当たり魴に掛け、雪焼とします。
  • 細目の蓮根を雪輪に剥き、甘酢漬けにします。
  • 河豚皮は線に打ち、出汁7、薄口醤油1、味醂1で合せた寒天地で寄せます。寒天地は7・1・1の地1升、寒天2本半、板ゼラ1枚にて合わせます。尚、荒熱を取った地に振り柚子、洗い葱を入れます。
  • 鮮度の良い鮟肝に塩と酒を当て蒸し上げた後、出汁6、濃口醤油1、味醂0.8、露生姜少々の地でさっと焚き、筒にとり廻りを共地ゼリーにて固めます。
  • 卵黄10個、酢・出汁・砂糖各1合に塩少々で2枚鍋にてぽったりとするように作ります。
  • マスは上身にし、そぎ身にして塩を当て、酢洗いをした後、昆布〆とします。
  • 寿司酢は酢1合、砂糖140g、塩40gを合わせてしゃりを作り、切胡麻、みじんガリをしゃりと合わせ、先のマスにて手毯寿司とします。
  • 慈姑(くわい)は木の葉に剥き、水に晒した後、風に当て水分を抜き、素揚げにして塩を振ります。(熱いうちに塩を振らないと塩がなじまないので注意が必要です。)
  • 河豚白子は塩と酒を当てて焼き、海老芋は程良い大きさに剥き、中をくり抜いて合わせ、蓋付きの器にします。常のように磨ぎ汁で茹で、吸地しんみりめで焚き、中に焼白子を入れます。葛水仙は水と葛同割とし、椀に盛り込み、吸地をはり供します。
  • 水1升、鮪節40g、利尻昆布10gにて出汁を引きます。温度は80℃位とします。
    (参考)水1升、血合抜き鰹節36g、利尻昆布10gで一番は引いています(忠悦の水)
造里
  • 青利烏賊は裏表に庖丁を入れ、蛇腹として浅い昆布〆とします。
  • 鮪、縞鯵、鰤、烏賊を彩り良く盛り付けます。
温物二種
  • 甘鯛を上身にして程良い大きさの切身にし、淡く塩を当てて置きます。水分を拭取り、細く卸した蕪と軽く泡立てた卵白と銀杏、三つ葉、きくらげを合わせ、甘鯛に乗せて蒸上げ、銀餡を掛けます天盛りに山葵。蕪はふんわりと蒸上げます。
  • すっぽんスープ3、鰹出汁7を合わせ、少量の薄口醤油・味醂・水塩で当りをつけた合せ出汁4、卵1の玉地を作り、醤油洗いしたうどんを入れて蒸上げます。後、鰹出汁6、濃口醤油1、味醂0.8でべっこう餡を作り上から注ぎ入れ、生姜の絞り汁を加えて供します。(水塩は水1升、塩700gの飽和塩水を作り、火を入れて保存します。)
焼物
  • タラバ蟹を塩茹でして殻を剥き、程良く切ります。平目ハは鮮度の良い物を求め、薄膜を掃除して3つにへぎ、淡く振り塩をします。
  • 田楽味噌に溶かしバターの上澄みを入れ、昆布出汁で固さを調整します。以上を平貝の殻に盛り付け、天盛りに「かもじ葱」を盛り、黒七味を振り掛け焜炉にて供します。黒七味は京都の「原了郭」を使用します。
油物
  • 伊勢海老は殻から身を取り出し、殻は色出しし舟を作り、あられを付けた身を油で揚げ、盛り付けます。青唐、素麺は素揚げとします。
  • 煎出汁は出汁5、薄口醤油1、味醂1に柚子胡椒を溶き入れ、スダチを添えます。
酢の物
  • なまこは掃除をして薄く切り出します。濃い番茶を作り、茶振りなまことし、ポン酢6、土佐酢4の割ポン酢に投込みます。割ポン酢ジュレを作り盛ります。
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