今月の絵献立

「夏の香り」幹事 富樫 塁(ホテル雅叙園東京)

前菜
  • 水玉豆腐は板ゼラチン4枚、棒寒天1/2本を水で戻し、豆乳金杓6杯にて煮溶かし、塩・薄口醤油にて味を調えます。塩茹でして、薄皮を剥いた枝豆をほど良い壷の下に敷き、先の豆乳を流し、冷し固めます。固まった物を上手く抜き取り、出汁10、濃口醤油1、味醂1のべっこう餡を作り、冷して豆腐にかけます。
  • 天の川厚焼は、卵黄20個、全卵10個、生身500g、砂糖230gを混ぜ合わせ、地を作ります。フライパンにて薄く焼き、五層に重ねて庖丁し、切り口を見せて少し曲げ、天の川に見立て、ラップをかけて蒸します。
  • ゴーヤは縦に庖丁して種を取り、苦味を和らげるため、揚げて火を通した後、八方地に落とします。
  • 田楽味噌に、から煎りして刻んだくるみを合わせ、先のゴーヤに射込み、天火にて少し炙ります。
  • 青利鳥賊は水洗いし掃除をして、身を開き、薄塩を当てて串打ちします。
  • 衣は練り雲丹に卵黄を加え、素・薄口醤油にて味を調えた物、法蓮草と水をミキサーにかけ、漉して鍋にて煮出して青寄せを作り、卵黄・塩・薄口醤油にてのばし、味を調えた物を先の烏賊に塗り、弱火の天火にて蝋焼きにし、冷えた所を短冊に庖丁し、求肥昆布にて結びます。
  • 白アスパラ、アスパラを掃除し、湯をします。後、昆布にて30分〆ます。市松に組み竹紙昆布にて周りを包みます。
  • 卵黄を湯煎にかけ、程良い固さにし、酢・塩・味醂・薄口醤油にて味を調え、先のアスパラにかけます。
椀盛
  • 冬瓜は皮を剥き、湯をしてミキサーにかけ、水気を取ります。
  • 出汁金杓10杯、葛300gにて葛饅頭を練り、上りに先のペースト150gを混ぜてさらに練り、ラップにて茶巾に取り、冷し固めます。
  • 鱧は水洗いして開いた後、骨切りとし、片栗粉を打ち、水1升に対し塩30g、酒少量の湯に落とします。湯から上げた後、バーナーで炙り、火取りとします。
  • 葱は縦に割り、薄皮を取って、庖丁でしごき、巻いて水にて晒して庖丁し、丸く縒り緩ります。青葱も同様とします。
  • 先の葛寄せを一度蒸して戻し、皮を剥き薄くスライス、湯をした冬瓜を巻きます。火取り鱧と葱を盛り、色合いいとして、花穂の花、軽く湯をした防風、細引いた人参を添えます。
造り
  • 黄肌は柵に取り、角に庖丁します。
  • 縞鯵は水洗いした後、皮を引き上身とし、へぎ作りにします。
  • 鯒(こち)は水洗いした後、上身とし、皮目をバーナーで炙り、焼霜として氷水に落とし、平作りとします。
  • 大根を桂剥きとし、金串を芯にして巻き、年輪大根にします。青竹の直径の大きさに合わせて庖丁し、入れ込みます。青竹に各々盛り込み、年輪大根を巻き、スライス氷を敷いた器に差し込み、山葵を添えます。
焼物
  • 米麹300g、塩100g、水300ccを混ぜ合わせ、よく揉み、容器にて常温で1~2週間熟成させ、塩麹を作ります。
  • 太刀魚は水洗いし、三枚におろした後、庖丁して串打ちし、天火にて焼き、先の塩麹を塗り、再度焼きます。
  • 檸檬は皮を剥き、輪切りにして、バーナーで焼目を入れます。先の太刀魚と重ねて盛り込み、焼きもろこし、酢取りしたはじかみを添えます。
煮物
  • 夏大根はサイコロに庖丁して、面取りし、米のとぎ汁にて戻します。煮干し250g、昆布100g、水5Lにて一晩寝かせ、煮干し出汁を取り、先の大根を塩・薄口醤油・味醂にて味を調え煮含めます。
  • 銅鍋に湯を沸かし、酢を落とし、白板日比布は湯をして青く戻し、水で晒し先の地に漬けます。昆布を大根と同じサイズに庖丁して巻き、三つ葉で結びます。
  • 伊勢海老は身を殻から外し、庖丁して片栗粉を打ちます。出汁・砂糖・薄口醤油・塩・生姜にて味を調え、沸いた所に先の海老を落とし、吉野煮とします。
  • 白芋茎は白く戻し、灰を回さないよう、酢と檸檬を入れた湯で茹でて水にてよく晒します。万願寺は焼台にて焼き、氷水に落とします。先の煮干し出汁に塩・薄口醤油・味醂にて味を調えた地にて白芋茎を焚き、万願寺は漬けます。全てを盛り込み、大根を焚いた地に辛子を溶き、葛を引いて大根に辛子餡を張ります。
揚物
  • 里芋と南瓜は皮を剥き、蒸して裏漉しします。両方に2割の生身を加え、塩にて味を調えます。
  • 出汁・胡麻ペースト・砂糖・濃口醤油・塩・片栗粉にて胡麻餡を練ります。
  • 先の里芋、南瓜を半分ずつ合わせ、胡麻餡を射込み、餡がもれないようラップにて茶巾に絞り、蒸します。ラップをはがして薄衣で揚げます。
  • 蛸は水洗いした後、皮を剥き、薄くスライスして片栗粉をまぶしながら、当り棒にて叩き、薄くのばしていき、油で揚げて煎餅とします。
食事
  • 鮎は水洗いした後三枚におろし、三等分に庖丁します。水・酒・味醂・たまり醤油・砂糖にて黒く甘辛(から)く焚きます。白飯に鮎、近火で焼いた蓼、茗荷、ぶぶあられを盛り、塩で味を調えた煎茶を張ります。
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