調理師日誌

2022年1月号編集後記

謹賀新年
本年も会員皆様の変わらぬご愛顧とご協カのほど
何卒よろしくお願い申し上げます。

2022年 元旦
編集部一同

新しい夜明けと共に本来であれば希望に満ちた年の初めの新年会が目白押しとなるはずが、新たな「オミクロン株」感染のせいで折角の収束ムードが一変し、今年もワクチン接種とマスク着用の自粛ムードでスタートすることになりました。

一方で地球温暖化の影響から異常気象が激しさを増し、国内外で大型台風や竜巻、大洪水、豪雪、山火事等が日常的に発生し、甚大な被害を及ぼしています。温暖化も元はといえば人類が産業革命以降膨大なCO2を排出し続けた結果といわれており、いよいよ排ガス規制によりガソリン車が全て電気に変わる日も遠くないようです。

ともあれ今年は寅年で、古い川柳に昨年の牛歩の歩みを皮肉るような「千里走る 虎に先立つ えとの丑」というのがありますが、なぜか寅年は洪水が多いとか、酔っ払うのを「虎になる」とか、大事にすることを「虎の子」とも言います。

ところで口伝や秘伝の多い日本料理の「虎の巻」といえば『日本料理法大全』(石井治兵衛著)を思い浮かべる料理人はもういないかもしれませんね。

編集長 日比野隆宏

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2021年9月号編集後記

 真夏のコンディションとコロナ禍による緊急事態宣言の下、史上初の無観客で行われた一年遅れの第32回オリンピック(2020東京)が閉幕しました。7月23日から17日間に亘って繰り広げられた大会は、開催国としての日本選手団の活躍が目立ちました。新競技・新種目を含め、金メダル27個、銀メダル14個、銅メダル17個(合計58個)は米・中に続く三番目の成績で過去最多を記録し、外出自粛で巣ごもり状態の国民にテレビ画面を通してスポーツの魅力と感動を与えました。

 8月24日からはパラリンピックが開催されており、陸上や水泳競技等の躍動ぶりには障害を感じさせないほど目を見張るものがあります。一方で、国境を越えた平和の祭典を象徴する「難民選手団」の参加はリオに続き二度目となりますが、戦争や迫害によって故郷を追われたアスリートの活躍も注目されました。本来参加することに意義があるオリンピック精神に則るもので、今後ますます激化すると思われる内乱の絶えない国々のアスリートにとっては救いの神となるものです。

 変異するコロナ株は相変わらず社会生活をおびやかし、ワクチン接種が進む中、国内での感染者数は地方に拡大しています。医療崩壊の兆候として入院先の見つからない自宅療養者が増え、若い人も重症化する傾向にあり、一向に収まる気配がありません。治療薬ができるまでは一人一人が感染を防ぐ努力をする方法しかないようですが、緊急事態宣言下では依然として料飲業界のしばりは厳しく、まさに今、国の緊急な手当が必要不可欠です。味覚の秋を楽しむ正常な場面が一刻も早く実現することを願うばかりです。

編集長 日比野隆宏

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2021年8月号編集後記

残暑お伺い申し上げます
編集部一同

 ゲリラ豪雨が各地に洪水や土砂災害をもたらした梅雨が明けると同時に、夏本番の猛暑が日本列島を覆い尽くしています。折しも、コロナ禍による四度目の緊急事態宣言の下、東京では連日千人を超える感染者を出しながら、7月23日から8月8日まで1年遅れの東京2020オリンピックが開幕しました。

 新型コロナウイルスがデルタ株等に変異しながら世界中に感染を拡大し、未だに終息の見通しが立たないまま、異常な情況の中、史上初の無観客で実施されることになりました。JOCやIOCの安心安全な五輪のお題目に、感染拡大と重症化を危惧する中止や延期の声も届かず、「復興五輪」のスローガンも今ではコロナに打ち勝つ五輪へとすり替わりました。とにもかくにも206カ国33競技、339種目の大会が東京都を中心に展開されています。

 早くも日本人選手の金メダル第1号は柔道ニッポン男子60キロ級の高藤直寿選手が獲得し、翌日には史上初の男子66キロ級の阿部一二三兄と女子52キロ級の妹阿部詩がそろって念願の金メダル、新種目競技のスケボーでは堀米雄斗選手がベストトリックに成功、女子最年少13歳の西矢椛選手と共に金、競泳の大橋悠依が女子400m個人メドレーで日本人初の金、二日日の新種目卓球混合では水谷隼・伊藤美誠組が超難敵中国を撃破し悲願の初優勝。この後も日本人アスリートのメダルラッシュが大いに期待されます。

 それにつけても五輪後の一日も早いコロナの終息と日本経済の早期復興が必須であり、会員の皆様には感染と熱中症に留意し、夏を乗り切って欲しいものです。

編集長 日比野隆宏

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2021年7月号編集後記

 二刀流とは江戸時代初期に宮本武蔵が創始した二天一流のことで、刀を左右に一本ずつ持って戦う剣術の流派をいいます。開門海峡の巌流島で佐々木小次郎と果たし合い(決闘)をしたと伝えられていますが、現代の二刀流といえば、メジャーリーグに挑戦し、ロサンゼルス・エンゼルスに所属して投手と打者の両刀使いで大活躍中の大谷翔平選手です。

 大リーグでは百年も前に投手で二桁勝利、打者で二桁本塁打を記録した野球の神様ベーブルース以来の二刀流として今や、かつての日本人選手イチロー、松井選手を凌駕し米国中の話題を独占しており、オールスターファン投票では断トツの得票数を獲得しています。本塁打争いでもトップを走ってリードし、日本人初の本塁打王、MVPも夢ではないような気がします。国内のプロ野球は東京オリ・パラを目前にして今いち盛り上がりに欠けるようですが、稲葉監督率いる侍ジャパンが本拠地東京でぜひ優勝して欲しいところです。

 東京オリ・パラの開催が迫る中、競技会場の観客数の制限か無観客かを決めかねているのも、国内のワクチン接種の遅れと新型ウイルスの変異株が感染拡大の兆候を見せているからで、開催国としては何よりも安心安全な大会を望む以上、あらゆる状況を想定し対策を講じる必要があります。「おもてなし」のPR効果で開催都市となった東京オリンピックが、世界のスポーツの祭典として正常な状態で行われるのであれば、どれほどの経済効果と国威発揚の成果が得られたものか。現実にはひとえに想定外の新型コロナウイルス感染のためすべて逆効果となり、とりわけ飲食業界にとっては惨憺たる結果となりました。

 コロナ禍の後に来るアフターコロナ、ポストコロナに備えて日本食の魅力を世界に発信できるよう努めたいものです。

編集長 日比野隆宏

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2021年6月号編集後記

 梅酒用の青梅や梅漬け用の南高梅等がホワイトリカーや赤じそとともに店等に並ぶ青梅雨の候となりました。

 食材事典等によれば、梅の原産地は中国からアジア東部といわれますが、中国では二千年以上も前から漢方に利用されており、湖南省長沙の古墳から青梅を真っ黒に蒸し焼きにした“鳥梅”が発見されています。日本では中国伝来の栽培樹として古来薬用や観賞用に用いられてきました。平安時代に梅干しが作られ、貯蔵食品として戦国時代の兵糧(戦時における将兵の食糧)として重宝されました。江戸時代には水戸藩主徳川光圀公が梅の木の培養を奨励したため、全国各地に観梅の名所ができ、現在では梅の実が梅酢や梅干し、梅肉エキスの効能とともに民間療法の漢方の一種に数えられています。

 「梅は三毒を断ち、その日の難をのがれる。朝夕一個で医者いらず」といわれ、梅肉エキスは食あたり、下痢、嘔吐、腹痛に使用されるほか、頭痛のときにこめかみに梅干しを貼ったり、乗り物酔いには口に含み、へそに貼る方法もあるそうです。関節リウマチや腰痛に、青梅を酒に漬けた梅酒を一日数回患部に塗ると効果的です。ただし、青梅を生で食べると中毒を起こすことがあるので禁物です。

 梅干しといえば昔から「日の丸弁当」と称して飯の真ん中に赤い梅干しを詰めた弁当やおにぎりの具にされてきましたが、近年ではおにぎり屋で最も売れないのが梅干しだそうです。酸っぱい味が苦手な大人や子供が増えてきている証拠です。塩分8%以下の塩分控えめか蜂蜜入りの甘い梅干しが売れ筋だそうです。このところ最近ではワクチンも集団接種が増えて来ましたが、唾液によるPCR検査では梅干しを見せる効果もあるようで。

編集長 日比野隆宏

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