調理師日誌

2024年8月号編集後記

政府の統計によると今年度(2024年)6月までのインバウンドによる訪日外国人旅行者数は1,788万人となり、上半期の人数としては過去最高を記録したそうで、このペースで推定すると年間3,500万人となり、旅行消費額は8兆円になると言います。コロナ禍あけの反動と超円安の影響によるところが大きいようです。

岸田首相の説明では、政府の目標は2030年に訪日客数6,000万人、旅行消費額15兆円をもくろんでおり、地方への誘客促進とオーバーツーリズムの未然防止、抑制に取り組むことが重要であるとも述べています。

夏野菜と言えば胡瓜や茄子、トマト、南瓜、冬瓜、ジャガ芋、玉蜀黍、唐辛子などがあります。現代では大概のものがハウス栽培で周年出回るようになり、昔のような旬の時季を待つ高揚感が薄らいでいます。胡瓜の原産地はヒマラヤ山麓といわれ、中国やインドからシルクロードを経由して東西に伝わったといわれています。胡瓜の胡は胡(西域)の瓜という意味で、南方のカンボジアから伝わったカボチャ=南瓜(原産地はアメリカ)と同類の漢字です。料理では蛇腹胡瓜や若採りの諸胡瓜、葉付き胡瓜、西洋風のピクルスなどに用いられます。

胡瓜といえば妖怪のカッパ(河童)を連想しますが、胡瓜の海苔巻をカッパ巻と称するのはカッパの好物だからとの伝説によります。昔から地方によって河童を水神として祀るところがあり、今でも胡瓜の初物を河童の水神様に供える風習があるようです。

目下、パリ五輪で日本人選手のメダルラッシュが始まっていますが、本誌がお手元に届く頃には最終結果が出ていることでしょう。残暑厳しき折、熱中症にご注意願います。

編集長 野澤 武

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