今月の絵献立
- 先附
- 水切りした豆腐を裏漉しにかけ、砂糖・塩・薄口醤油で味を調えて白和えの衣とします。マスカットの皮を剥き取り、縦半分に切り分けて種を取り去り、レモン水で洗い水分を良く拭き取ります。岩梨(焼酎漬けの瓶詰め)は流水で晒した後に蜜煮にします。先のマスカットを氷の器に盛り、白和えの衣を着せて岩梨、剥き身の石榴(ざくろ)を飾ります。
- 八寸
- アスパラは塩焼きにして上りに生醤油を一刷毛塗ります。粟麩を縦長に薄切りにして先のアスパラに巻き、煮切った三同割(酒・味醂・濃口醤油)で焼き上げて紛山椒を振ります。
- 白芋茎を大根卸しと鷹の爪で戻して流水で洗った後で良く絞り(1)の精進出汁と塩で味を調え、微量の味醂と薄口醤油で加減します。適量束ねて鬼灯(ほおずき)に盛り、刃叩きした梅干しを天に落とします。食パンを適当な大きさに切り分けて海苔を帯に巻き、蚕豆と共に素揚げして塩を振ります。
- 御凌ぎ
- 水前寺のりを水に漬けて戻したら小角に切り、甘酢(酢1、水1、砂糖1)に漬けます。枝豆と玉蜀黍(とうもろこし)は塩茹でにしてそれぞれ一粒ずつにバラしておきます。トマトは湯剥きして種を抜き取り、他の野菜と同じ大きさに切ります。少し固めに炊いた御飯に塩・胡椒・レモン汁で味を調え、ピンクペッパーと全ての具材をオリーブオイルと混ぜ合わせ、冷やしてトマトの釜に入れてお出しします。
- 小吸物
- 八丁味噌に(1)の出汁8、(2)の精進出汁2の割合で赤出汁を仕立てます。そのまま放置して上澄みのみ温め、湯通しした蓴菜と共に碗に張り木の芽1枚。
- 向附
- 直火焼きの茄子の皮を剥き取り、引き割りにして、色良く茹でた隠元と共に朝地(浸し地に切り胡麻)で和え、形良く盛り、針茗荷と生姜を添えて割り醤油((1)(2)の合わせ出汁で加減した醤油)で供します。
- 焼物
- すり卸した蓮根と同重量の白玉粉を練り合わせ、下味(塩・味醂・薄口醤油)をつけて適当な大きさに取り分け、蒸し上げます。後に打ち粉をして油で揚げ、掛け焼にします。牛蒡と人参の金平を天に乗せ、七味を振ります。
- 煮物椀
- 干瓢は塩揉みし、湯煮して結び、冬瓜は皮を掻き取り細かく庖丁し、塩と重曹を摺りこみワタと共に湯煮します。鍋に昆布を敷き、(1)(2)の合わせ出汁で煮ます。丁字麩は微温湯で戻し、良く絞りぶぶあられをつけて揚げます。冬瓜の地でそれぞれを温めて椀に盛り、ミキサーにかけたワタと共に薄葛仕立てにします。
- 留肴
- 蓮芋は色良く戻し吸地に漬けおきます。後に良く絞り白板昆布で巻きます。長芋を千切りにして淡い塩水で洗い、良く水気を取り生湯葉で巻きます。それぞれを適当に切り分けて器に盛り、湯通しした防風を添えます。薄口醤油を(1)で割り、梅酢で加減した物に乱引き山葵(山葵の葉や先の細い部分を細かく刻み、熱々の酒を注ぎ密封して出来たエキス)で風味と辛味をつけた加減酢ですすめます。
- 食事
- 温かい山芋そばにたっぷりの磯辺おろしを乗せてすすめます。
- 甘味
- 葛粉40g、わらび粉40g、上用粉100gを700gの水で溶き、漉した物にこしあん200g、砂糖180g、水あめ30g、塩25gを合わせ、練り 上げます。
(1)の昆布出汁は、水900cc、昆布30g(礼文島産の利尻昆布一等級を使用)
(2)の出汁は干し推茸40g(干し堆茸は香信を使用)