今月の絵献立
- 祝肴
改暦の吉慶を迎え希望の光にかがやく初日を拝して
- 蕪を大き目の桂剥きとし、塩分2%の立塩に漬け、笊にて水気を切り、甘酢に唐がらし、昆布を加え一昼夜漬け込み、ラップにて鮭温燻の拍子木切りを芯にして巻き、小口に切り供します。
- 活アワビを掃除し、大根を入れて柔らかくもどした後、酒・濃口醤油・赤酒・氷砂糖・溜醤油にて味付けし、厚目に庖丁して供します。
- カラスミを少しマイルドに仕上げ、リンゴは皮を剥き、2mm位の厚さに庖丁し、松葉串に刺して盛ります。
- 吸鍋
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初春に目出度さ開く鏡餅 魂映す風花舞う季
- 焼アゴと鰹節、昆布にて出汁を取り、味付けをし、金目鯛を上身として若狭焼とし、湯葉にて包み、三つ葉で結んで置きます。若鶏も同じく若狭焼として置き、フグヒレは焼き、土瓶の器の中に金目鯛、若鶏、フグヒレを入れ、吸地をはり、30分間蒸し上げた後、小餅、勝男菜を入れて10分間蒸し、あがりに柚子を加えて供します。
- 津久里
四海波をあげず風枝を鳴らさず冬尽くる季
- 車エビは活きたまま熱した油に4秒位入れ、すぐ氷水に取り洗いとします。頭は半助エビとし盛り付けます。
- 寒ブリを上身とし、厚目に皮をそぎ切りにして分けて置き、塩を振って焼き氷水に取り水気をふき取り、短柵に庖丁し、刺身の前盛りとして盛り付けます。
- ヤリイカを上身としてさざ波に庖丁し、73℃位の湯にて霜降りとし、さざ彼のように見立て、金箔と銀箔を上に乗せて盛ります。
- 多喜合せ
松竹の千代八千代とめでたく運をつかみ申し納めます
- はじめに七運菜とは「ん」が付く食材を、鴨などははばたく意味で焚き、盛鉢の中から通常は接客係が小皿に取り分けてやるのですが、それでは接客係に運が付く事になりますので、お客様に各自小皿に取っていただき年の初めに「運」をつかんでいただくためのサービストークをし、召し上がっていただきます。それぞれの食材を灰汁抜きして、旨八方出汁にて含め煮とし、木の芽を多目にのせ、取り箸を添えて供します。
- 家喜物
寒の入り膨らむ芽にははや春のいのち育む冬ざるる裸木
- のど黒は上身として塩をし、出汁7、酒1、淡口醤油1の合せ地に漬けた後、一晩陰干しとして焼き上げカボスを添えて供します。
- 揚物
月冴ゆる雪見障子の窓明かり無垢な白さに寒極まりぬ
- 里芋はキメ細かな良質の品を選び、皮を剥き、灰汁抜きした後、旨八方出汁にて柔らかくなる迄含め煮として置きます。別にコーンフレークと生パン粉を合わせたものをクイジナートにて細かくし、一口大に切り出した里芋につけ油にて揚げ、銀杏も同じく3粒揚げて器に盛り付け、カニ爪のむき身を、銀あんの中に入れ、ミジン生姜を加え、上から掛けて供します。
- 食事
春動く萌え出る草の浅緑に生への息吹き覗き見る朝
- 白出汁・味醂・淡口醤油・塩を入れた合せ汁の中に、牛蒡、人参を細かく刻み、安い生雲丹を加えて焚き上げ器に盛り付け、良質の生雲丹を上に3枚位のせて供します。