今月の絵献立

「葉月の献立」幹事 野澤 武(ホテル ザ・マンハッタン 日本料理 おりじん)

前菜
  • 玉蜀黍(とうもろこし)は皮付きのまま蒸して実をばらし、ミキサーにかけて裏漉しします。鍋に玉蜀黍のピューレ300g、玉蜀黍の芯と昆布で取った出汁2合、吉野葛70g、牛乳1合を合わせて練り上げ、塩で味を調え流し缶にて流し固めます。
  • ミニトマトは中身をくり抜き、湯をして皮を剥き、薄めの甘酢に漬けておき、地上げした後、蒸してほぐした毛蟹の身を射込みます。
  • 蓮根は皮を剥き、酢を入れた湯にて茹で、水に晒した後、塩八方にて含ませます。小豆を戻し、塩当りの漉し餡を作り、蓮根に射込み白扇衣にて揚げます。
  • 白海老は皮を剥き、竹紙昆布に薄く広げ、アボカドの叩いた物を芯にし、巻きます。
  • 蝦蛄(しゃこ)は掃除して引き上げ湯葉に並べます。木の芽を当り鉢にて良く当たり、玉味噌と合わせ木の芽味噌を作り、蝦蛄の芯に射込み巻きます。小麦粉を打ち、玉子にくぐらせパン粉を付けてフライにします。
  • 鱧は水洗いし、骨切りして串を打ち、鱧ダレにて焼きます。寿司飯に叩いた実山椒を混ぜ小袖寿司にします。
  • じゅん菜は色出しします。器に盛り付け出汁12合、薄口醤油1合、味醂1合、酢1合に追い鰹をした地を張り、天に梅肉を付けます。
  • 鶏胸肉は皮を取り、塩・胡椒をしておき、香味野菜と共に80℃のコンペクションにて20分蒸します。鶏レバーは下処理し、一晩牛乳に漬けて晒した後、濃口醤油と砂糖を使い甘辛く炊きます。プロセスチーズとレバーをミキサーにかけ、流し缶にて固め、先の胸肉と博多に盛り付けます。
御椀
  • 鴨は掃除し出刃にて良く叩き、きざみ生姜と葱を入れ、田舎味檜少々と薄口醤油で味を調え、昆布湯にて丸に取ります。冬瓜は皮を剥いて丸く庖丁し、真中をくり抜きにて抜き、色良く含ませます。鰹出汁と先の鴨を湯した出汁を合わせ吸地とします。冬瓜に鴨の摘み入れを乗せ、軸人参と隠元、笹打ちした九条葱をあしらい、露生姜を絞ります。
造り
  • かますは水洗いして上身とし、皮目にバーナーで焼目を付け庖丁します。
  • 蛸は掃除して足を切りはなし、薄く五枚落としに庖丁し、高温の油でサッと霜降りし氷水に落とします。
  • 鮪は冊に取り角作りとします。
焼物
  • 和牛はロース肉を使います。塩・胡椒をしフライパンで焼目を付け、真空袋に入れ、中心温度が56℃になるようにコンペクションにて火入れをします。
  • 丸茄子は庖丁目を入れ油にて揚げ、地に落とします。茄子に胡麻油を塗り表面を炙り、もろ味噌で少し伸ばした物を乗せ焼きます。焼き上がった茄子に庖丁したロースト肉を乗せます。
  • 甘長唐辛子は油にくぐらせ串を刺し、直火にて焼き地に漬けます。
煮物
  • 鰻は背開きにし串を打って白焼きにします。薄揚げを開き油抜きし庖丁しておいた鰻を巻き干瓢で結び薄口八方地で炊きます。
  • 南瓜は木の葉に剥き炊き、蓮根は白煮にします。スナップエンドウは掃除して色良く茹で、地に漬けておきます。それらを盛り付け、信田の地に薄く葛を引き張ります。
揚物
  • 鮎は水洗いし、背の方から骨と内臓を取るように庖丁します。半日位風干しし、押しをして裏漉ししておいた豆腐に卸し大和芋を合わせ、木耳、人参、椎茸の千切りをまぜ合わせ、鮎で包み薄衣で揚げます。鮎の肝うるかは、うるかを裏漉しして玉味噌と合わせ、煮切った酒で伸ばし、うるか味噌とします。
留肴
  • 活の車海老は背ワタを取り、のし串を打ちサッと半茹でにし、皮を剥きます。酒盗を酒で煮漉した地に一晩漬け、桂剥きしておいた白瓜で巻きます。ヤングコーン、ズッキーニは高温の油で揚げ、出汁8合、味醂1合、薄口醤油1合、酢8勺に追い鰹した地に漬けます。あやめ蕪は立塩にて殺し、薄甘酢に漬け、オクラは色良く茹で地に漬けておきます。薄めの土佐酢にゼラチンを溶かし冷やし固まったら刻んだ大葉と共にミキサーにかけ大葉ジュレとします。
食事
  • 魚のアラに塩を当ておき、焼いて身をほぐします。当り鉢に入れ良く当たります。魚のアラのほぐし身400gに鰹出汁8合、田舎味噌1合、アゴの粉50g、煎り胡麻80g、卸し生姜、卸し大蒜を加え薄口醤油・味醂で味を調えます。刻んだ茗荷と胡瓜を入れて漬け汁とします。
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