調理師日誌

2018年2月号編集後記

 「平成」の元号も現段階では平成31年4月30日をもって新元号に代わります。特例法に基づき天皇陛下の生前退位が決まり、来年4月30日(火曜日)に皇位継承が行われ、翌5月1日(水曜日)に現皇太子が天皇に即位されます。平成に代わる新元号は今年度中に決定し、即位と同時に施行され○○元年(2019年)5月1日となります。まさに29日の「昭和の日」から始まるゴールデンウィークのさなかに日本中がお祝いムード一色となることでしょう。その二年後の2020年にはおもてなしの東京オリンピックが控えています。

 さて、年も改まり戌年がスタートしました。正月恒例の第九十四回箱根駅伝では原晋監督の下、青山学院大が四連覇を達成し、王者の貫禄を示し日本中を沸かせました。

 その反対にうら若き女性の夢を奪ったのは、振り袖レンタル会社の社長でした。一生に一度の成人の日に、高額な代金を支払い晴れ着姿を写真に収めて、式場に臨もうとしていた彼女たちを欺き、突然倒産した「はれのひ」は一転、社長の雲隠れで悪天候の日となりました。

 第二十三回オリンピック冬季競技大会は韓国平昌(ピョンチャン)で2月9日から始まります。日本選手のフィギュアやスピードスケート、スノーボードなどの活躍が大いに期待されます。

 今月18日は永朋舎の新春懇親会があります。秋の二十五周年記念に向けて着実に準備したいものです。

編集長 富田正藤

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2018年1月号編集後記

 東京都中央卸売市場の築地市場から豊洲市場への移転問題も築地再開発の構想を掲げることでようやく決着し、土壌汚染による追加安全対策工事を経て、本年10月11日(木)に開場することになりました。

 二年前の都知事選を制した小池百合子知事による豊洲移転延期宣言から三年を費やした膨大な費用の問題も含め、前途多難な船出となりそうです。一方の築地跡地には再開発構想として豊洲と築地を結ぶ食のゾーン「食のテーマパーク」を創設するという提案もあります。

 〝銀座から一番近い築地場外〟と称され現在地に残る450店舗からなる築地場外市場は、一昨年オープンした生鮮市場「築地魚河岸」はじめ、新たな未来に向かって世界に名だたる築地の活気と賑わいを取り戻し、本来の「プロの街」としてのプライドを継承すべく、「築地ブランド」の伝統を守っていこうとされています。

 築地市場は、江戸時代から続いた日本橋魚河岸が大正12年(1923年)の関東大震災によって壊滅し、昭和10年(1935年)に築地本願寺に隣接する築地海軍技術研究所用地に新たに開設されたのが始まりでした。

 歴史は繰り返しますが、永朋舎も二十五周年を迎えます。会員の皆様には最良の年でありますようにお祈り申し上げます。

編集長 富田正藤

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2017年12月号編集後記

 相撲界が土俵の外の傷害事件で揺れに揺れ社会問題になっています。伊勢ケ浜部屋の横綱日馬富士が同じモンゴル人力士で貴乃花部屋の貴ノ岩に暴行を加え、怪我をさせたことによる不祥事で、貴乃花親方が傷害事件として警察に訴えたことから孤軍奮闘で理事会とももめています。ついに責任をとって日馬富士は引退しましたが、事件の幕引きとはならず、文字通り水入り相撲となりそうな状況です。

 相撲界(角界)の不祥事といえば、モンゴル人の先輩横綱朝青龍も一般人への暴行事件で引退しています。国技であった相撲も今ではモンゴル人力士にお株を奪われ、無敵の横綱白鵬に40回目の優勝を記録されています。今年の2月に日本人力士として19年ぶりに横綱昇進を果たした稀勢の里も怪我の影響で休場が多く、完全復帰が危ぶまれています。

 ところで「相撲」の語源は大和言葉の「すまふ」に由来するといわれ、争うこと、抵抗することを意味する動詞が変化し「すもう」となったといわれています。漢字の 「相撲」はお釈迦様の一代記(経本)にでてくる取っ組み合い(格闘)をインド人が漢訳するときに相撲の文字で表現したと記されています。格闘技も源流をたどれば日本書紀の力くらべどころか古代バビロニアの青銅器やエジプトの壁画に描かれているといいますから、人間も動物と同じ習性をもって生き抜いてきたわけです。

 来年は成年。思わぬ幸運にあたるよう愛犬と一緒に大いに歩きましょう。

編集長 富田正藤

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2017年11月号編集後記

 衆議院ならではの宝刀を抜いた安倍首相による〝冒頭解散〟は野党にとって奇襲作戦も同然でした。風雲急を告げる大型台風21号が日本列島を襲う悪天候の中、解散総選挙が強行されました。選挙運動も政策論争より誹誘中傷合戦に明け暮れ、自民党小泉進次郎氏全国行脚の独壇場が功を奏し、自民党が全465議席のうち単独で284議席を獲得、自公で300議席を超えるという驚異的な数字で与党の圧勝に終わりました。

 それに引き換え、安倍独裁政権を倒そうと「日本をリセットする」と宣言し、にわかに野党第一党を目指し「希望の党」を結成した小池百合子代表は、民進リベラル派を傲慢にも「排除する」と発言した途端に国民の顰蹙(ひんしゅく)を買い、立憲民主党にも及ばず惨敗を喫する結果となりました。それにしても、昨年夏の都議選を席巻した「都民ファースト」の勢いはどこへやら、今後の都政への影響が懸念されます。

 選挙権を18歳に引き下げ、期日前投票数が大きく伸びたにもかかわらず、台風のせいとはいえ、戦後2番目の低投票率53.68%に止まり、国民の約半数が選挙権を放棄したことになります。この際、一人でも多く投票できるような方法を考案して欲しいものです。

 晩秋ともなれば温泉宿が恋しくなる季節ですが、日本の温泉法では泉温が25℃以上か溶存物質を1kg中に1g以上含有するいで湯を温泉といい、鉱泉は鉱物またはガスを多量に含む泉水を称しており、狭義には冷泉だけを呼んでいます。

 最新人気の「にっぽんの温泉100選」によると(1)草津(2)指宿(3)下呂(4)別府八湯(5)有馬(6)道後(7)湯布院(8)登別(9)黒川(10)城崎がベスト10で、以下和倉、箱根湯本、高山、玉造、伊香保、奥飛騨、月岡、蔵王、嬉野、山城と続いています。

編集長 富田正藤

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2017年10月号編集後記

 春の桜狩りに対し、秋は紅葉狩りといい古来より日本人は紅葉の名所を訪ね歩き、鑑賞し、写真や絵にしたり、また短歌や俳句を詠んだりする習慣があります。

 絶壁の下のみちゆく紅葉狩り(西村麦風)

 秋の茸狩り(たけがりとも、きのことりともいう)もまた行楽の一つです。山林に自生する初茸、舞茸、椎茸、湿地茸など、食用きのこを採取することですが、本来は松茸狩りのことで、かつて関西では10月初旬に松茸山の山開きをする地方もありました。「香り松茸、味湿地」といわれるように本湿地は美味しいものです。とはいうものの、姿形といい独特の風味は松茸に優る物はなく、野趣豊かなお馴染みの焼松茸に土瓶蒸し、松茸飯などは家庭ではなかなか味わえない高級料理の一つです。

 茸は茸でもまぼろしの茸と呼ばれる岩茸(イワタケ)もまた料理屋でしかお目にかかれない超高級品です。乾燥した物を戻して使います。岩手県や秩父地方の山奥の標高1,000mの断崖絶壁にはえており、岩場に張り付くように生えているので採取は容易ではありません。茸とはいっても地衣類に属しており、成長は驚くほど遅く1年に1ミリ位といわれています。雨天のあとの水分を含んだ状態のものを地元の人が命がけで採取するという。多糖類のグルカンを含み、制ガン作用があるといわれ、昔から薬として扱われてきました。

 最近になって和の食文化が欧米化した学校給食にも受け入れられる傾向にあるようです。内閣府が提唱している「食育推進基本計画」が理解されて地産地消の掛け声の下に、国民の食生活にも影響を与えており、健康的な和食が見直されて学校給食にもシフトされる時代が来ることは素晴らしいことです。

編集長 富田正藤

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