調理師日誌

2018年5月号編集後記

 平昌オリンピックを契機に北朝鮮と韓国の統一への動きが加速されています。世界中が注目する中、TV中継を通して4月27日に南北の軍事境界線にある板門店の平和の家で北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)委員長と韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領の会談が十年半ぶりに実現し、長年休戦状態にある朝鮮戟争の「終戟」を年内に宣言、平和協定を結ぶという約束を交わしました。

 さらには6月初旬までに予定されているトランプ大統領との世紀の「米朝首脳会談」が北朝鮮の完全非核化を前提に実現する見通しとなりました。つい昨年までは米国本土に届くミサイル開発に執念を燃やし、国連決議を無視して世界中から経済制裁を受けていた北朝鮮の豹変ぶりは要注意。「拉致問題」を抱える日本にとって、手放しで喜ぶ事態ではないようです。

 近年の異常気象は気候風土に恵まれてきた美しい日本の四季の変化に影響を及ぼしています。今年の花見シーズンに連動した桜祭りは後の祭りに終わった地方が多かったようです。また気温の変化は極端で、早春の北海道で30℃を記録したかと思うと、また真冬に戻って雪が降り、全国的に温度差が10℃以上の日が続きました。すでに海水温の上昇で魚介の生態系にも影響がでています。

 もっとも四季折々の天然物はすでに養殖や促成栽培などの人工的なものに代えられており、今に始まったことではありませんが、旬の食材と季節感を重視する日本料理にとっては困った現象で、地球規模で温暖化防止に対処する必要があります。

 真夏の東京オリンピックも二年後に迫りましたが、暑さ対策はどうなることやら。頭を冷やして考えよう。

編集長 富田正藤

This entry was posted in 編集後記 and tagged , , , , . Bookmark the permalink.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です