調理師日誌

2021年11月号編集後記

急転直下の四字熟語を地で行くような激減ぶりで1年半も続いたコロナ禍に、ようやく収束の時が来るような予感がします。年内には服用して治療する薬も出来るようで治験の結果が待たれます。

この沈静化を予測したわけではなさそうですが、歴代百人目となる岸田文雄総理が就任し、新内閣も誕生したばかりの状態で、国会を解散し、国民に信を問う衆院総選挙が始まりました。投票日の10月末には即日開票で結果が出ます。支持率の低かった岸田内閣が新しい資本主義を唱えて感染症から命と暮らしを守り、活発な経済活動がスタートできるかどうか、その実行力と指導力が問われるところです。

「都道府県魅力度ランキング2021」が物議を醸しています。北海道が13年連続1位で圧倒的な人気を誇り、2位は京都府、3位は沖縄県、4位か東京都、5位は大阪府となっています。この順位の中で44位の群馬県の山本知事から「根拠が不明確」とクレームがつき、昨年最下位(47位)の栃木県は41位に躍進しました。

ところで米国旅行誌の世界人気都市ランキング「世界で最も魅力的な大都市トップ10」によると1位東京、2位大阪、3位京都と上位を独占し、国別では1位ポルトガル、2位ニュージーランドで日本はシンガポールを押さえて3位でした。

本誌が届く頃には大リーグの人気をさらった大谷翔平選手のMVP獲得の夢は実現していることでしょう。来年も二刀流で活躍して欲しいものです。

さて飲食業界では年末を迎えて時短営業が解除され、酒の提供も自由になりましたが、長い間の自粛生活に慣れた状態ではすぐに客足が戻るようにはなりにくいのと、一度解雇された人材がまた戻るとは限らないのが悩みの種でもあります。

待てば甘露の日和あり、朝の来ない夜はないといいますからここは我慢のしどころです。

編集長 日比野隆宏

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2021年10月号編集後記

コロナ禍による緊急事態宣言とまん延防止等重点措置やワクチン接種の効果ばかりとはいえないような現象がおきて、東京都では8月13日に5,773人の感染者数が9月24日には235人に激減し、あわよくばこのままコロナが収束するのではと思いたくもなりました。

一時はむしろデルタ株による感染急拡大が懸念され、人流に多少の変化はみられたものの、ここまでの急激な減少は、専門家でも原因不明とのコメントが大半でした。

一説によるとウイルスは急速に増殖し、一定の閾値(いきち=限界値)を超えるとそのウイルス自体の生存に必要な遺伝子までも壊してしまい、ウイルスが自滅するという考え方もあるようです。

人体に侵入して生きるのがウイルスの宿命であり、人類は常にウイルスと戦いながらワクチンや治療薬、特効薬を開発し続けることになります。とりわけ、米国では年内に経口治療薬ができる見通しで、日本でも点滴ではなくインフルエンザと同じような飲み薬が出来るよう願いたいものです。

昨年からコロナ禍に明け暮れた日本政府も、菅総理が1年限りで辞任し、にわかに自民党総裁選に4人が出馬宣言し、野党の国会開会要求を拒み、コロナ感染の対策を中断して派閥抗争さながらにメディアを独占しています。

10月4日には歴代首相100人目の総理の下、新内閣が誕生します。国民にとっては郵便法の改正やコーヒーや小麦粉製品等の値上げの方が気になるようです。

編集長 日比野隆宏

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2021年9月号編集後記

真夏のコンディションとコロナ禍による緊急事態宣言の下、史上初の無観客で行われた一年遅れの第32回オリンピック(2020東京)が閉幕しました。7月23日から17日間に亘って繰り広げられた大会は、開催国としての日本選手団の活躍が目立ちました。新競技・新種目を含め、金メダル27個、銀メダル14個、銅メダル17個(合計58個)は米・中に続く三番目の成績で過去最多を記録し、外出自粛で巣ごもり状態の国民にテレビ画面を通してスポーツの魅力と感動を与えました。

8月24日からはパラリンピックが開催されており、陸上や水泳競技等の躍動ぶりには障害を感じさせないほど目を見張るものがあります。一方で、国境を越えた平和の祭典を象徴する「難民選手団」の参加はリオに続き二度目となりますが、戦争や迫害によって故郷を追われたアスリートの活躍も注目されました。本来参加することに意義があるオリンピック精神に則るもので、今後ますます激化すると思われる内乱の絶えない国々のアスリートにとっては救いの神となるものです。

変異するコロナ株は相変わらず社会生活をおびやかし、ワクチン接種が進む中、国内での感染者数は地方に拡大しています。医療崩壊の兆候として入院先の見つからない自宅療養者が増え、若い人も重症化する傾向にあり、一向に収まる気配がありません。治療薬ができるまでは一人一人が感染を防ぐ努力をする方法しかないようですが、緊急事態宣言下では依然として料飲業界のしばりは厳しく、まさに今、国の緊急な手当が必要不可欠です。味覚の秋を楽しむ正常な場面が一刻も早く実現することを願うばかりです。

編集長 日比野隆宏

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2021年8月号編集後記

残暑お伺い申し上げます
編集部一同

 ゲリラ豪雨が各地に洪水や土砂災害をもたらした梅雨が明けると同時に、夏本番の猛暑が日本列島を覆い尽くしています。折しも、コロナ禍による四度目の緊急事態宣言の下、東京では連日千人を超える感染者を出しながら、7月23日から8月8日まで1年遅れの東京2020オリンピックが開幕しました。

 新型コロナウイルスがデルタ株等に変異しながら世界中に感染を拡大し、未だに終息の見通しが立たないまま、異常な情況の中、史上初の無観客で実施されることになりました。JOCやIOCの安心安全な五輪のお題目に、感染拡大と重症化を危惧する中止や延期の声も届かず、「復興五輪」のスローガンも今ではコロナに打ち勝つ五輪へとすり替わりました。とにもかくにも206カ国33競技、339種目の大会が東京都を中心に展開されています。

 早くも日本人選手の金メダル第1号は柔道ニッポン男子60キロ級の高藤直寿選手が獲得し、翌日には史上初の男子66キロ級の阿部一二三兄と女子52キロ級の妹阿部詩がそろって念願の金メダル、新種目競技のスケボーでは堀米雄斗選手がベストトリックに成功、女子最年少13歳の西矢椛選手と共に金、競泳の大橋悠依が女子400m個人メドレーで日本人初の金、二日日の新種目卓球混合では水谷隼・伊藤美誠組が超難敵中国を撃破し悲願の初優勝。この後も日本人アスリートのメダルラッシュが大いに期待されます。

 それにつけても五輪後の一日も早いコロナの終息と日本経済の早期復興が必須であり、会員の皆様には感染と熱中症に留意し、夏を乗り切って欲しいものです。

編集長 日比野隆宏

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2021年7月号編集後記

 二刀流とは江戸時代初期に宮本武蔵が創始した二天一流のことで、刀を左右に一本ずつ持って戦う剣術の流派をいいます。開門海峡の巌流島で佐々木小次郎と果たし合い(決闘)をしたと伝えられていますが、現代の二刀流といえば、メジャーリーグに挑戦し、ロサンゼルス・エンゼルスに所属して投手と打者の両刀使いで大活躍中の大谷翔平選手です。

 大リーグでは百年も前に投手で二桁勝利、打者で二桁本塁打を記録した野球の神様ベーブルース以来の二刀流として今や、かつての日本人選手イチロー、松井選手を凌駕し米国中の話題を独占しており、オールスターファン投票では断トツの得票数を獲得しています。本塁打争いでもトップを走ってリードし、日本人初の本塁打王、MVPも夢ではないような気がします。国内のプロ野球は東京オリ・パラを目前にして今いち盛り上がりに欠けるようですが、稲葉監督率いる侍ジャパンが本拠地東京でぜひ優勝して欲しいところです。

 東京オリ・パラの開催が迫る中、競技会場の観客数の制限か無観客かを決めかねているのも、国内のワクチン接種の遅れと新型ウイルスの変異株が感染拡大の兆候を見せているからで、開催国としては何よりも安心安全な大会を望む以上、あらゆる状況を想定し対策を講じる必要があります。「おもてなし」のPR効果で開催都市となった東京オリンピックが、世界のスポーツの祭典として正常な状態で行われるのであれば、どれほどの経済効果と国威発揚の成果が得られたものか。現実にはひとえに想定外の新型コロナウイルス感染のためすべて逆効果となり、とりわけ飲食業界にとっては惨憺たる結果となりました。

 コロナ禍の後に来るアフターコロナ、ポストコロナに備えて日本食の魅力を世界に発信できるよう努めたいものです。

編集長 日比野隆宏

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