調理師日誌

2021年7月号編集後記

 二刀流とは江戸時代初期に宮本武蔵が創始した二天一流のことで、刀を左右に一本ずつ持って戦う剣術の流派をいいます。開門海峡の巌流島で佐々木小次郎と果たし合い(決闘)をしたと伝えられていますが、現代の二刀流といえば、メジャーリーグに挑戦し、ロサンゼルス・エンゼルスに所属して投手と打者の両刀使いで大活躍中の大谷翔平選手です。

 大リーグでは百年も前に投手で二桁勝利、打者で二桁本塁打を記録した野球の神様ベーブルース以来の二刀流として今や、かつての日本人選手イチロー、松井選手を凌駕し米国中の話題を独占しており、オールスターファン投票では断トツの得票数を獲得しています。本塁打争いでもトップを走ってリードし、日本人初の本塁打王、MVPも夢ではないような気がします。国内のプロ野球は東京オリ・パラを目前にして今いち盛り上がりに欠けるようですが、稲葉監督率いる侍ジャパンが本拠地東京でぜひ優勝して欲しいところです。

 東京オリ・パラの開催が迫る中、競技会場の観客数の制限か無観客かを決めかねているのも、国内のワクチン接種の遅れと新型ウイルスの変異株が感染拡大の兆候を見せているからで、開催国としては何よりも安心安全な大会を望む以上、あらゆる状況を想定し対策を講じる必要があります。「おもてなし」のPR効果で開催都市となった東京オリンピックが、世界のスポーツの祭典として正常な状態で行われるのであれば、どれほどの経済効果と国威発揚の成果が得られたものか。現実にはひとえに想定外の新型コロナウイルス感染のためすべて逆効果となり、とりわけ飲食業界にとっては惨憺たる結果となりました。

 コロナ禍の後に来るアフターコロナ、ポストコロナに備えて日本食の魅力を世界に発信できるよう努めたいものです。

編集長 日比野隆宏

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