最近の夏の猛暑は熱中症警戒アラートが絶えません。今年は特に40度を超える地域も多く、東京都の猛暑日は8月18日~27日まで10日間連続となり、これまでの年間記録23日を更新中で、9月になっても残暑は衰え知らずで続いています。秋の到来は遅れており、問題の多い新米もようやく出回り始めていますが、さすがに高嶺の花ならぬ高値の新米になっているようです。
実りの秋といわれるように、秋は米を始め多くの穀物や植物が実を結ぶ季節です。辞書によれば、特に稔りと書く場合は稲や穀物が成熟することを意味しており、年(ねん・とし)にも通じると記されています。また味覚の秋の言葉があるように、料理人にとっては旬の食材に困らない季節でもあります。
今月号の永朋の献立当番の表題を見ると「神無月の献立」が殆どでしたが、献立内容はさすがに豊富でイメージされる色彩も豊かでした。
ちなみに3年前の永朋十月号の献立の表題は「秋闌(あきたけなわ)」、「実りの秋」、「秋高し頃」、「晩秋の割烹」、「紅葉月の献立」となっていて「神無月」はありませんでした。陰暦十月の別称で「神なし月」「かみなづき」ともいわれます。俗に八百万の神々が、この月に出雲大社に集まり、他の国にいないゆえと考えられて来た。また、雷のない月の意とも、新穀により酒を醸す醸成月(かみなしづき)の意ともいわれる。また、「神在月」(かみありづき)は、出雲国で旧暦十月の異称。日本国中の神々が、この月、出雲大社に参集するとの俗信に基づくとあります。(「広辞苑」より)いずれにしても季語を主体とした献立の表題も熟慮してほしいと思います。
編集長 野澤 武










