アンチエイジングのための日本料理 四季のお献立

春の献立 前菜
献 立 食品名 重量
(g)
エネルギー
(kcal)
たんぱく質
(g)
脂質
(g)
炭水化物
(g)
稚鮎田楽 あゆ 米みそ 車糖・上白糖 清酒 13 24 3.3 0.8 0.5
蕗東寺巻 ふき 湯葉 12 23 2.2 1.4 0.4
天豆翡翠煮 そらまめ かつお・昆布だし 車糖・上白糖 7 8 0.6 0.0 1.4
鱒砧巻 にじます 大根 12 11 1.6 0.4 0.2
車海老卯の花和え くるまえび おから 26 31 6.4 0.3 0.4
飯蛸桜煮 いいだこ 12 8 1.8 0.1 0.0
合計 82 105 15.9 3.0 2.9

働きかける栄養素・成分を含む旬の食材

稚鮎(ちあゆ)

鮎の幼魚である椎鮎は、3月頃から出回る春の風物詩。解禁前であるため養殖もので、天然ものに比べてたんばく質が少なく脂肪分が多いのですが、ビタミンAを豊富に含んでいます。眼のビタミンともいわれるビタミンAは、角質保護成分を作り網膜の細胞となる、眼の健康を支える成分です。また、骨を丈夫にするカルシウムやリンも多く、その吸収を助けるビタミンDも含まれています。内臓はとくにビタミンAが多く、他にも、鉄、亜鉛、マンガン、ビタミンB群なども含み、まさに栄養の宝庫です。幼魚であるため骨も柔らかく、焼物、天ぶら、から揚げなどで丸ごと食べることができ、含まれる栄養素をすべて摂ることができます。

【その他の期待される働き】

動脈硬化予防、肝機能強化、高血圧予防、血栓防止、脳機能維持改善、アレルギー抑制、がん抑制など。

眼・視力によいとされる春の食材

鹿尾菜(ひじき)

食卓でもおなじみの鹿尾菜は、体内でビタミンAに変わるβ-カロテンが豊富です。β-カロテンには、皮膚や粘膜を丈夫にし、抵抗力を高めてがんを予防する働きもあります。また、カルシウムも豊富で海藻の中ではトップの含有量です。長期間の保存ができる乾燥ものが一般的なので、健康維持のためにも日常の食生活に取り入れるようにしましょう。

菜の花(なのはな)

春野菜の中では、ビタミンとミネラルが群を抜いて豊富に含まれており、とくにビタミンCは菠薐草(ほうれんそう)の約4倍という高い含有量。ビタミンCは老眼や眼精疲労、老人性白内障を予防する、コラーゲンの生成を助ける、などの働きがあります。美白効果、抗酸化作用もありますので、がん予防や老化防止に大きな期待が持てるといえるでしょう。

【その他の主な旬の食材】

鯛、八目鰻(やつめうなぎ)、海松貝(みるがい)、烏賊、桜蝦(さくらえび)、蝦蛄(しゃこ)、パセリなど

料理人の知恵袋

焼魚の下ごしらえ(味付け)

ご家庭で蛸・烏賊を煮るとついつい出来上がりが固くなってしまうことが多いと思いますが、これらを柔らかく煮るには小豆などの豆類や大根と一緒に煮ることをお勧めします。
大根に含まれる消化酵素のジアスターゼが蛸や烏賊の蛋白質を柔らかくしてくれます。また、小豆には蛸の色を鮮やかにしてくれる効果があります。

献立・料理 富田正藤(米村)
全国料理業生活衛生同業組合連合会 著

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脳・記憶への働きかけが期待できる

目・視力への働きかけが期待できる

骨・関節への働きかけが期待できる

皮膚・粘膜への働きかけが期待できる

内蔵・免疫への働きかけが期待できる