調理師日誌

2022年6月号編集後記

3年ぶりの行動制限のない大型連休は、各地各所で水を得た魚のような賑わいを見せました。その反動による新型コロナの感染者数が懸念されましたが、幸運にして感染者数はゆるやかな減少に転じ、東京都の感染者数などは5月11日の4,764人をピークに、下旬には2,000人台まで下がり、22日をもって「リバウンド警戒期間終了」を宣言、ようやく収束に向かう傾向が見られると判断されました。

政府の感染症対策も屋外でのマスク不要(会話が少ない場合)の見解を示し、岸田首相はコロナ禍で停止していた訪日観光客の受け入れを6月10日に再開すると表明、水際対策を媛和し1日も早くインバウンドを期待する宿泊事業者にとって朗報となりました。折しもかつてない円安が追い風となり、外国人観光客が大挙して訪れる日もそう遠くはないようです。

3日で制圧すると目論んでウクライナの首都キーフに侵攻したロシアは、EUや国連決議による経済制裁を受けながらも平和な街を無差別に破壊し、人命を奪い続けて100日にもなります。ウクライナ産の穀物輸出が滞り、アフリカなどでは食糧危機を招くなど、世界中を巻き込んでいます。この長期化するウクライナ情勢は日本にも影響し、原油や原材料の高騰による物価上昇の要因と相まって、すでに3,600品目が値上がりし、年内には10,000品目が値上がりすると予告されています。

日本の世界的な生活レベルでは平均賃金が30年も上がらず、物価も安いと言われていますが、人生100年時代の超高齢化社会が予測されるだけに、これからの日本を支える世代にとってはゆゆしき問題でもあります。

梅雨入り間近の鬱陶しい話題になってしまいましたが、青水無月の献立を作るのに梅雨空に映える紫陽花や花菖蒲を愛でる余裕も欲しいものです。

編集長 日比野隆宏

This entry was posted in 編集後記 and tagged , . Bookmark the permalink.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です