調理師日誌

2021年12月号編集後記

2021年も残すところ一月となりました。本年も国内外共におしなべてコロナ禍に始まりコロナ禍に終わる異例の年となりました。とりわけ飲食業界にとってこれほどまで長期に亘り、感染防止のために辛酸をなめ、塗炭の苦しみに耐える経験はありません。

感染者が激減して小康状態にあり、ようやく収束の兆しが見えてきたかと思いきや、デルタ株に代わるオミクロン株が各国で発生し、日本でも再び水際対策が講じられることになりました。渡航制限が解除されたのも束の間、海外からの観光客が足止めを食うことになり、感染の重症化を防ぐためにも国内における老若男女を問わず3回目のワクチン接種が急がれます。

年末恒例の2021年新語・流行語大賞が発表され、コロナ禍の暗いニュースが続く中、全米のみならず日本の野球ファンをも虜(とりこ)にしたロサンゼルス・エンゼルスの大谷翔平選手の「リアル二刀流/ショー(翔)タイム」でした。イチロー選手以来二人目の大リーグMVPに輝き、来年への期待も大きい。

ちなみに昨年の年間大賞「3密」に続き、コロナ禍を象徴する「人流」や「黙食」も今年のトップテンに入っています。個人的な感覚では「ワクチン」の言葉が最も多く使われたような気がします。

本年最大のイベント「東京オリンピック・パラリンピック」も他のスポーツや催し同様、無観客のまま行われ、当初の目論見とは真逆の結果となり、経済効果が得られぬまま閉幕しました。

今年は多くの動向が停滞し、丑年を地で行くような牛歩の歩みとなりました。来年は寅年。虎は千里往って千里還ると言われるように、勢いの盛んな動物です。変異株も恐れぬ勇猛果敢な勢いにあやかり、停滞した2年間の経済活動を取り戻す風潮を期待したいものです。

編集長 日比野隆宏

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