調理師日誌

2019年6月号編集後記

 WHOの発表によると男女平均84.2歳で2018年度世界一位の長寿国に返り咲いたニッポンは今「人生100年時代」を想定して暗に自助努力を呼びかけているようです。

 老い先の長い?老後を暮らせる蓄え即ち資産寿命をどうのばすかが問題となりますが、この問題には国として年金支給額の維持が困難になるためと会社にとっても退職金を確保することがむずかしくなるためといわれています。金融庁の報告書案では、夫65歳・妻60歳以上の夫婦が年金生活で20年以上生きるためには蓄えが現状2,000万円は必要になると試算されています。一方では65歳以上の認知症の人は2030年には830万人(2012年で462万人)になると見られています。

 「人間わずか五十年」という言葉を口にしていた織田信長は不覚にも家臣明智光秀による本能寺の変で自刃、享年48歳でした。「人生七十古来稀なり」との名言は中国唐の詩人杜甫の言葉で長寿祝いの古稀の由来になっています。信長の一生ではありませんが「人生朝露の如し」(人の一生ははかなくもろい)という人生観が主流であり、それだけに古来より不老長寿の妙薬を探し求めたり、仙人の住む不老不死の蓬莱山に思いを寄せ、七福神の寿老人に願掛けをする人間は今でも絶えません。

 今年のサラ川(サラリーマン川柳)の入選作の中に、「いい数字出るまで計る血圧計」、「やせなさい 腹にしみいる医者の声」、「下腹が気づかぬ内にひょっこりはん」があり、過去には「皮下脂肪資源にできればノーベル賞」という一位になった作品もあります。

 何よりも長寿に必要なのは健康です。健康を保つには本来の日本食がふさわしいと思いますが、梅雨時は食中毒が大敵です。念には念を入れて細心の注意を心がけましょう

編集長 日比野隆宏

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