調理師日誌

2017年7月号編集後記

 今年の天候は例年になく不順で地域を問わず初夏だというのに、30度を超える真夏日が何度もありました。この分では7月以降の梅雨の合間や梅雨明けと共に高温注意報の発令が大いに気になります。地球温暖化防止は21世紀以降の地球と人類を守るために世界190ヵ国が京都議定書やパリ協定に参加し、現状の経済活動を続けた場合、100年後に4度前後上昇するという予測のもとに2度未満に抑えること(18世紀の産業革命以前の気温を基準として)を目指して行われています。具体的にはCO2(二酸化炭素)などの温室効果ガスの排出量を減らすという協定を守ることになりますが、このほど途上国との不公平感を理由に、先進国として最も影響力のある国のアメリカがトランプ大統領の独断でパリ協定からの離脱を表明し、大きな問題となっています。

 石油、石炭等の化石燃料を使用し、CO2を大量に排出している国は中国とインドで全体の28%を占めているといわれています。一方で、大気汚染の元凶となっている中国の微小粒子物質PM2.5などは日本への影響も見過ごせません。自然界への影響が現れて、すでに気温や降水量の変化による農作物、また海水温の上昇で魚介類の生態系に被害が及んでおり、地球規模の食料不足の不安も広がりつつあります。

 「笹の葉さらさら のきばにゆれる お星さまきらきら きんぎん砂子」と歌われる七夕の歌も今は昔の風景となりました。商業的には平塚と仙台の七夕祭が有名ですが、天の川をイメージさせる食べ物では素麺があり、料理では豆乳を固めた滝川豆腐の椀種も風情があります。今年の夏の祭典は幻想的な蛍が当会青年部のテーマになっております。涼を呼ぶ夏の風物詩の一つです。

編集長 富田正藤

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