調理師日誌

2022年4月号編集後記

「花より団子」とは花見の風情を楽しむよりも花見の団子を食べるということで、名より実利を重んじることのたとえに使われます。「酒なくて、何のおのれが桜かな」とも通じるものがあります。芭蕉の句「花の雲鐘は上野か浅草か」で詠まれたように古来より上野や飛鳥山は桜の名所といわれ、現在でも上野公園の桜は世界中に知られ、海外からの花見客も沢山訪れて賑わいます。

今年は、3月下旬に例年にない速度で桜が開花し、桜前線は一気に北上しています。コロナ禍でなければ桜花爛漫の春を満喫できたものですが、まん延防止が解除されたものの花見の宴会は規制されてしまいました。にもかかわらず、行事の多い時節柄、再び感染者数が増える傾向にあり、3回日のワクチンを受けない若い人も多く、Ba2に変異した新型コロナの第7波を予感させます。

ところで2月下旬、世界情勢は突如として始まったロシア軍による目を疑うウクライナ侵攻で一変し、戦争映画をはるかに凌ぐ空爆やミサイル攻撃で主要都市を無差別に破壊し、一瞬にして住民の命が奪われ、国外への退去を余儀なくされています。国際法を無視した暴挙で世界各国から経済制裁を受け、ウクライナヘの人道支援が叫ばれる中、未だに停戦を拒み続けて世界経済を狂わせています。

このウクライナ侵攻による天然ガスや小麦の輸入制限等が輪を掛け、4月から食品を中心に商品やサービスの価格、制度が変わります。また、プラスチックごみの削減とリサイクル強化を目指すプラ新法も施行されます。

季節はめぐり、大型連休が近づきましたが、せめて爽やかな空気をマスクなしで大きく吸いたいものです。

編集長 日比野隆宏

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