調理師日誌

2018年7月号編集後記

 梅雨入り・梅雨明けは暦の上でいう場合と気象庁で宣言する場合とでは異なります。現代の日常生活ではもっぱら気象庁の発表により周知され、梅雨の期間は一般に夏至(今年は21日)を中心として二十日前後の雨期をさしています。

 梅雨明けは沖縄が最も早く、日本列島を北上しながら東北地方が最後に明けます。北海道には本州付近の梅雨前線が弱まるために梅雨がなく、十日間程度の長雨がある場合は蝦夷梅雨といいます。この時期の北海道は広大なラベンダー畑が青紫一色になり、梅雨時に多くの観光客が訪れる魅力の一つになつています。

 日本食の世界的な普及には目覚ましいものがあります。近年では中国に次ぐ人口十三億人のインドに日本食を出す店が増え、特に若者やファミリー向けに70店舗も数えるといわれます。

 これに輪を掛けるように、すでに海外10カ国に約800店舗を構える「牛丼の吉野家」が進出し、2020年までに100店舗を目指すという。人口の八割がヒンドゥー教徒のため牛肉は扱わず、イスラム教徒の豚肉も使わず、鶏肉をアレンジしたものやベジタリアン向けのメニューを開発中であるとか。外食産業も少子高齢化で人口が減少する一方の国内需要に見切りをつけ、海外に活路を見出しているのが現状です。

 ところで、あと2年後に迫った東京五輪に向けてインバウンドで激増する外国人観光客のための和食のもてなしも掛け声だけで終わらないようにしたいものですが、ホテル・旅館にとっては痛し痒しの問題が民泊です。住宅宿泊事業法が施行され、届け出をすれば異業種からの参入が可能になり、蓋を開ければ何百件程度で意外とハードルが高い。最も不安なのが闇民泊となりそうです。

編集長 富田正藤

This entry was posted in 編集後記 and tagged , , , . Bookmark the permalink.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です