調理師日誌

2018年9月号編集後記

 「天高く馬肥ゆる秋」は空が高く感じられるほどに澄みわたり、馬も肥えるような収穫の秋。秋の季節のすばらしさを言う(広辞苑)とありますが、中国の故事では「秋高塞馬肥=秋高く馬肥ゆ」として「隣国匈奴(蒙古民族)が意気上がり、国境から侵入する季節なので警戒すべき兆候である」という意味合いが強いようです。

 防災月間(9月)ともなれば「天災は忘れたころにやってくる」という教訓がよく使われます。寺田寅彦(明治の物理学者)が残した言葉とされていますが、現代のように異常高温や台風、ゲリラ豪雨、地震等が頻繁に襲ってくると「忘れる間もなくやってくる」と言い換えたいくらいです。

 どのような被災地でも最も重宝がられるのがボランティア活動のようですが、残りの人生を奉仕活動に賭けるスーパーボランティア尾畠春夫さんがこの夏一躍脚光を浴びたのは、山口県周防大島町で起きた3日間行方不明だった2才の男児を数百人の捜索隊をよそに、たった20分で発見救助するという快挙によるものでした。感謝感激の一家にとって精一杯の御礼(食事や風呂)も丁重に辞退し、颯爽と立ち去る姿は武士道にも似て感動的でした。

 目下、東京の夜の観光で外国人にも人気の屋形船の需要が急増しているという。本会賛助会員でもある晴海屋では6船保有し、中でも定員144名、日本最大級の「白鷺」は圧巻です。2mの天井は背の高い外国人を想定し、接客用語も英語、中国語、韓国語に対応しているそうです。

 来月21日はいよいよ創立二十五周年記念式典となりますが、「永朋」も記念号の内容となります。

編集長 富田正藤

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