調理師日誌

2025年5月号編集後記

4月13日に158の国と地域及び7つの国際機関が出展する「大阪・関西万博」が開幕しました。テーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」ということで、最新の科学技術や世界各国の文化に触れることができる「見どころ」もあり、「いのち」をめぐる最新技術は「IPS細胞」から作られたTIPS心臓」や次世代の交通手段ともいわれる「空飛ぶクルマ」などが体験できる魅力もあるようです。

埋め立て地の夢洲にできた世界最大級の釘を使わない木造建築の大屋根リングは全周2kmもあり、前評判の割には雨天にもかかわらず初日から大変な混雑ぶりのようです。6ヶ月間(10月13日まで)の会期中2,820万人以上を見込んでいるようですが、海外パビリオンも含め、「見どころ」の多い万博会場に一度は足を運んで見たらいかがでしようか。

国の主食である米の値段が米不足が原因で暴騰し、政府が備蓄米を放出するも前年の倍以上の値段は一向に安くなりません。生産量の減少や需要の急増、備蓄米放出の遅れ等が原因といわれますが、遠因は4年間に及ぶコロナ禍にあるようです。外食産業の落ち込みで一気に減ったところに、コロナ終息後の輸出拡大と急速な需要が重なり、需給のバランスが崩れた結果と見られています。

いずれにしても国の備蓄米は5ヶ月間で百万トンの放出計画があるものの人気が集中しているふるさと納税の返礼品中止の地域もあり、秋の新米も含め、生産を増やすにも後継者不足の米作り対策の問題は急務のようです。

まもなくゴールデンウイークになりますが、1年で最も凌ぎやすい季節で、端午の節句と共に使い古した名句「目には青葉山ほととぎすはつ鰹」(素堂)に四季折々の旬の素材を用いる日本料理の原点を感じます。

編集長 野澤 武

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