全国うまいもの
新潟県
【県庁所在地】新潟市【地方】中部地方
【人口】2,348,529人(2012年4月1日現在)
【特産品】コシヒカリ、へぎそば、のっぺ
【県花】チューリップ【県鳥】トキ
【県木】ユキツバキ
本州日本海側に位置する県。新潟市は本州日本海側初の政令指定都市である。主要産業である米の収穫量は日本一。特に魚沼地方で栽培されるコシヒカリは「魚沼産コシヒカリ」として日本一の評価を受けるトップブランドである。また日本で数少ない原油の生産地でもあり採掘が進められている。山間部は有数の豪雪地帯で特に中越地方と上越地方の山間ではスキー場が多い。

鮭粕漬【さけかすづけ】
鮭の親子粕漬
最近は北海道の鮭が有名であるが、かつてはサケの本場は越後であった。サケは必ず生まれ故郷の川に戻って産卵するところから先祖を尊ぶ「霊魚」といわれ、越後ではめでたい席には欠かせないものである。
越後特有のサケ料理の一つに「干鮭」がある。日干しというよりは風干しであって、日本海の強風にさらされたサケは乾き、身が固くしまる。この皮をはいで薄切りにして酒を少々、ふりかけると旨味が増すことから、「鮭の酒びたし」とも呼ばれる。他にもサケ料理はいろいろあるが、とにかく尾っぽを除いて捨てるところがない。
サケとスジコそれにタラコを加えた粕漬けがつくられている。上質の粕と新鮮な素材があいまってひときわ味がさえわたる。サケとスジコの粕漬けといえる逸品。
厚みのあるサケはそのまま焼いて食ペる。スジコはそのまま、タラコは軽くあぶってもよい。
【お問い合わせ】
小川屋 〒951-8063 新潟県中央区古町通5-611
[TEL]025-229-0111 [FAX]025-222-6831 [HP]http://www.niigata-ogawaya.co.jp/
献上鮑【けんじょうあわび】
ぜいたくな逸品
「献上鮑」とは、日本海でとれるアワビを長時間かけて煮たものである。昔から新潟市の南にある弥彦神社の奉納祭に献上してきたことからこの名がつけられた。
殻からはずしたアワビを大きな五右衛門釜に入れ、ひと塩加えたお湯で約8時間煮る。煮る際に最も大事なことは火加減だ。沸騰しすぎてもいけないし、かといってぬるすぎてもいけない。煮始めてから8時間たったところで、煮汁と薄口醤油をミックスした調味料に漬け込む。暑さ寒さによって漬ける時間がちがうが平均すれば約2時間というところ。
調味液から出された「献上鮑」は、やわらかくてコクがあり、薄味のなかにもアワビの香りをとどめてている。
そのままやや薄切りにして酒の肴に最も合う。また、煮汁の炊き込みご飯も絶品。その他、めん類ツユ、鍋物にも使える。賞味期間は約45日。
【お問い合わせ】
新潟富留川 〒950-0905 新潟県新潟市中央区天神尾91
[TEL]025-245-2231
さより一夜干し【さよりいちやぼし】
淡白な味覚
サヨリは針魚、細魚とも書くように、サンマに似ていて体全体が細長い魚。背が青くて光りものの一種だが、身は白く味は淡泊で臭みはほとんどない。刺身にしてもよく、また吸物に入れてもよく、酒好家にファンが多い。
このサヨリの一夜干しは、干物にすると淡白な味に旨味がプラスされて、光り物が苦手な人にも抵抗なく食ペられるからだ。
日本海近海で水揚げされたサヨリの頭、はらわた、骨などを取り除き水で洗い流す。これをザルの上に一枚ずつていねいに並べ一晩干す。すると半生のサヨリの白身が透けるように仕上がる。篠原商店の一夜干しが評判なのは秘伝の味付けにある。味酎と塩を使った味付けが絶妙で歯ごたえもやわらかく塩辛さもない。
細火でかるくあぶって酒の肴に、ご飯のおかずに。保存期間は冷蔵庫で約2週間。他に、カマス、コダイ、カレイなどがある。
【お問い合わせ】
篠原商店 〒951-8065 新潟県新潟市中央区東堀通5-424-1
[TEL]025-222-3040 [FAX]025-229-3461
かんずり【かんずり】
本格香辛料
かんずりは漢字で「寒作里」と書き、雪国の越後地方に古くから伝わる香辛料の一種である。史上に有名な川中島合戦の際、上杉謙信公が陣中の食糧として重宝したと伝えられる。そのころの土地の人たちは、塩漬けにした唐辛子を壷に入れて保存し、冬になるとそれをおかずにしてご飯を食べたという。これに手を加えて食べやすい香辛料にしたのがいまの「かんずり」である。
原料になる唐辛子は妙高高原で栽培された良質のもの。この唐辛子を1ヶ月以上雪にさらしアクを抜く。そしてすりつぶしたものを樽に入れて約1年間塩漬けにする。そこへコウジ、サンショウ、二ンニクなどの薬味を加えた後、3年間じっくりとねかせる。出来上がるとべっこう色の味噌のようになる。味は辛いだけでなく、まろやかさがある。雪国の人たちの知恵の結晶といえるだろう。
醤油に溶き、焼物や漬物につけて食べる。湯豆腐、おでん、鍋物にもよく合う。
【お問い合わせ】
有限会社かんずり 〒944-0023 新潟県妙高市西条438-1
[TEL]0255-72-3813 [FAX]0255-72-0344 [HP]http://kanzuri.com/
薄塩するめ【うすじおするめ】
かむほどに味が出る
佐渡近海は豊かな漁場として知られている。ブリ、タイ、サバ、イワシ、カニ、エビなど多くの種類の魚がとれる。その中でも、佐渡の味覚にぴったりなのが「真イカ」である。イカは佐渡近海で産卵し、春から夏にかけて北上する。このイカの群を追って船を出す。
地元のイカの料理法はいろいろだ。まず、刺身の糸づくり。甘みといい歯ごたえといい文句なし。つぎに、ゆでイカ。イカの内臓を取り出し、空になつた身の中に足を詰め込んで熱湯に入れる。ゆであがったら輪切りにして塩をふりかける。丸干しは、イカを丸ごと2時間ほど塩漬けにしたあと、天日に干す。2〜3日すれば焼いて丸かじりできる。
「ヤマキチ」でつくる「薄塩するめ」は、とれたてのイカの内臓を取って開き、約30分間水に浸けてから4〜5時間天日に干す。出来上がりはほぼ生イカとかわらず、色も白く柔らかい。裂いて□に入れるとイカ特有の弾力があり、噛むほどに滋味が出てくる。一夜干しするめともいう。 シーズンは7〜12月で、値段は変動が激しい。
【お問い合わせ】
株式会社ヤマキチ 〒952-0014 新潟県両津市湊291
[TEL]0259-27-3255 [FAX]0259-27-4178 [HP]http://www.yamakichi.jp/
参考資料「名産・珍味全国うまいもの」富士書店刊