全国うまいもの

北海道

【県庁所在地】札幌市【地方】北海道地方
【人口】5,475,783人(2012年9月30日現在)
【特産品】サケ、カニ、ジンギスカン、夕張メロン
【県花】ハマナス【県鳥】タンチョウ
【県木】エゾマツ、アカエゾマツ

日本の北部に位置する島。日本列島を構成する主要4島の一つで広大な国土と自然を有する。日本の食糧基地と自称するほど農業が盛んで、テンサイやジャガイモ等生産量日本一の品目が多い。酪農も盛んで生乳生産量は全国の約40%を占める。またカニ、ホタテ、ウニ等北海道ならではの海産物も豊富。夏は避暑やドライブ、冬はスキー・スノーボード等、リゾート地としても毎年多くの観光客で賑わう。

北海道

石狩味【いしかりあじ】

鮭の親子糀漬

別名「鮭こうじ漬」ともいい、鮭の親子漬けといってもよい。原料になる鮭は、10月頃のもっとも脂の乗りきった石狩湾で獲れたものを使用する。まず、鮭の皮をはぎ、骨をはずして身を刺身状にし、これをイクラ(鮭の子)と氷頭(ひず)をいっしょにして麹に漬ける。材料を生かすも殺すも麹菌の強弱によるので、味をよくするために麹は特別に注文することになる。

こうして10月に麹漬けしたものは翌年の2月頃に成熟する。鮭の切身の鮮やかな桜色と真紅のイクラ、ところどころに混じっている無骨な氷頭の一片、それらが白い麹に映えて素晴らしい色彩を放っている。

食味期間は冷蔵で2ヶ月。他にサーモンロール、ソフトサーモンなどがある。

【お問い合わせ】

佐藤水産株式会社 〒064-0953 北海道札幌市中央区宮の森三条1-5-46
[TEL]0120-813-105 [HP]http://www.sato-suisan.co.jp/

新巻鮭・筋子【あらまきじゃけ・すじこ】

本物の秋あじ

川で生まれて海で育った鮭は、産卵するために生まれ故郷の川に戻ってくる。この時期の鮭は脂が乗り、エネルギーも充満している。これを河口で待ちかまえて捕獲する。水揚げした鮭はエラを切り取り、腹を割いて内臓を取り除き水洗いする。水気を切り、腹と外側に塩をふり、荒むしろの上で3日間鮭を山積みし、塩を均等にするために1日ごとに上下を積み替える。3日後、1匹ずつ目方を計リ25g入りの木箱に入れ、一度冷凍してから冷蔵庫に保管する。これが本来の新巻鮭の製法である。

筋子は袋から卵を取り出して手でほくし、流水にさらして飽和塩水に一晩漬けておく。その後、5〜7日間水に浸け頃合いを見て、引き揚げる。

松前漬【まつまえづけ】

数の子・昆布・スルメの合作

北海道を代表する海の幸、するめ、数の子、昆布の三品を漬け込んだ函館地方自慢の郷土の味である。「松前漬」は昭和25年に「よねや食品」によって初めて商品化された。製造方法は、まずするめと昆布を細長く切り刻み、数の子をまぶす。さらに醤油と味醂、化学調味料で味付けして樽の中で熟成させる。夏場で3日、冬は約5日間漬け込むとあの粘りのある甘酸っぱい独特の風味が生まれてくる。原料になるスルメイカは一等品、昆布は厚くて幅広で味のよい道南の真昆布を使う。

またするめの皮をはいで使い、数の子の量を多くして味醂をたっぷり使った高級品もある。

【お問い合わせ】

よねや食品 〒040-0037 北海道函館市旭町7-9
[TEL]0138-22-7719 [FAX]0138-22-1333 [HP]http://www.tuku629.jp/kaiinn/yoneya.html

小樽蒲鉾【おたるかまぼこ】

淡白で上品な味

小樽はかまぼこの一大生産地である。原料は小樽近海で獲れる一見エソに似たワラズカ(50〜60cm)である。身の色は純白でかたく締まって弾力に富み、味は淡泊でかまぼこに適している。このウラズカを三枚におろして身をすりつぶし、水の入ったタンクでゆっくりかきまわし、血と脂肪を取り除く。その後、さらし袋に入れて水切りし、もう一度機械で細かく砕き、孔径1.5cmの穴から押し出す。それを大きな擂り鉢に移し、練りながら砂糖等の調味料を加えて味付けする。このすり身をベテランの職人が片手の上でヘラで平たい餅状にこね、さらに重ねて一本の肉柱にして二つに割り、半円形のかまぼこ型に板付けし蒸して仕上げる。

特上ナペ板、特上赤・白板がある。他に、チーズやウニ、サケ、カニの入ったものもある。

【お問い合わせ】

株式会社 かま栄 〒047-0027 北海道小樽市堺町3-7
[TEL]0134-25-6181 [FAX]0134-23-2679 [HP]http://www.kamaei.co.jp/

天然貝柱・塩うに【てんねんかいばしら・しおうに】

至上の天然もの

「猿払貝柱」といえば世界で絶賛されている貝柱の逸品である。それというのも日本の北端・宗谷の荒波にもまれて育ったホタテは、肉質にしまりがあり色つやも素晴らしく、味覚も一段と優れていて割れにくいからだ。漁獲は7月〜10月で貝は漁連が一手に荷受けし、それをあらためて業者に再分配する。そのためホタテ貝を生で出荷するケースが多くなり手に入りやすくなった。

「塩うに」は、利尻、礼文島の良質の昆布を食べて育ったウニが原料となる。ここで育った「がぜ」と呼ばれる赤ウニ(エゾバフンウニ)と「ぬな」と呼ばれる紫ウニ(エゾムラサキウニ)は、どちらも大粒で味が濃い。これで作った「塩粒うに」は絶品。

貝柱はそのまま食べたり、水にもどして料理にも使える。ウニは酒の友に絶好。またご飯にも合う。

【お問い合わせ】

佐賀孝郎商店 〒097-0022 北海道稚内市中央4-8-23
[TEL]0162-23-5110 [FAX]0162-23-5164 [HP]http://www.sagakourou.com/

いかの沖舟漬【いかのおきふねづけ】

漁師のアイデア商品

一口にいえば生イカの醤油漬。地元の漁師が塩辛やスルメの作り方にヒントを得た保存食で「沖漬」という。9月下旬〜11月にかけて、日本海やオホーツク海で獲れる真イカあるいはスルメイカと呼ばれるイカを原料にしている。

このイカを醤油や昆布だし汁などを混ぜ合わせて作った調味液に漬ける。調味液はイカから出る水分で薄くなると、もう一度新しい液に漬けかえる。添加分は一切使用しないが、防腐剤として笹の茎から抽出したエキスを液に入れる。このエキスはアイヌの人たちが発見したといわれている。15日間も漬け込むと醤油によく似た茶褐色になり、身がしまってきて、歯ごたえのよいイカ独特のまろやかさが出てくる。

イカの刺身を作る要領で軟骨を取り除き、開いて細切りにするのがおいしい食べ方。常温で3〜4日、冷蔵庫に入れておけば10〜20日はもつ。

【お問い合わせ】

株式会社丸北北都 〒093-0014 北海道網走市南四条西3
[TEL]0152-44-5526 [HP]http://www.marukita-hokuto.com/

シシャモ【ししゃも】

酒肴に最適

「シシャモ」はアイヌ語であって漢字で書くと柳葉魚。日本では北海道の南東地域を回遊しながら生息している。成魚になるとオスは体が黒っぽくなるがメスは逆に白っぽい色になる。しかし、残念ながら一般に出回っているシシャモのうち95%は北欧やカナダからの輸入品だ。見た目には北海道産のものとわからないが、味となると本場ものの比ではない。

鵡川、釧路川などでとれる本場シシャモの旬は11月。産卵直前の本子持ちのメスは体に脂がのっていて最高の味だ。シシャモは口先からエラにかけて串刺しにし、スダレ干しにされる。乾き具合によって全乾魚、八分乾燥、五分乾燥の三つに分けられる。全乾魚は相当にかたいのでカナヅチでたたき、身と骨をはがしてから食ペる。味は淡泊だが噛むほどに味が出る。

軽く火であぶり丸かじりする。子持ちのメスは酒の肴に最高。冷凍庫で保管すること。焼くときは解凍しないほうがよい。

【お問い合わせ】

平林商店 〒084-0921 北海道釧路市美濃15-169-1
[TEL]0154-56-2134

氷下魚【こまい】

厳寒期の北海魚

樺太では「寒海」、アイヌ語では「コマイ」と呼ばれるが「小さな音がする魚」という意味をもっている。日本語では「氷下魚」というが、1月から3月にかけて厚い氷の下で産卵するところからこの名がついた。

タラ科の硬骨魚で日本海と北太平洋に棲息するが体長は30センチ以上には成長しない。北海道では厳寒期に海面の氷に穴をあけて釣る人も多いが、釣りあがるとたちまち氷の上で凍ってしまう。これをむしって山葵醤油で食べると、舌の上でひやりととける味がして最果ての味覚をただよわせる。「寒海干し」は、頭とはらわたを取り除き、薄塩をして乾燥させるが、地元では生干しも人気がある。味はシシャモより淡白で弾力性に富み風味がある。

軽くあぶってそのままかじる。常温で6ヶ月は賞味できる。

【お問い合わせ】

大東食品株式会社 〒097-0006 北海道稚内市新港町1-16
[TEL]0162-22-5555 [FAX]0162-22-5560 [HP]http://daitosyokuhin.co.jp/

真昆布【まこんぶ】

献上こんぶ

北海道沿岸でとれる昆布は16種類以上あるが産地によってそれぞれ味がちがう。渡島半島の東部の浜でとれる「茅部こんぶ」は、多くの昆布の中でもいろんな面で群を抜いている。幅が広く肉厚でつやもいいが味もまた素晴らしい。

この「茅部こんぶ」は松前藩時代、幕府や朝廷に献上され「御上がり昆布」とか「天下昆布」とかいわれ、北海道一の名をほしいままにしてきた。つまり宮内庁御用達の昆布なのである。しかし、この天下一品の昆布はとれる量が少ない上に、昆布の大好きな京都や大阪の業者が独占的に買い占めるので、一般にはあまり知られていないようだ。そのあたりの事情は以前、山崎豊子の小説『暖簾』の中で詳しく書かれている。

「真こんぶ」は、ミネラルが豊富で透明に澄んだ上品な味わいの出汁がとれる。他に、「根こんぶ」や「とろろ汁」もある。

【お問い合わせ】

かまだ商店 〒041-1611 北海道函館市川汲町1546
[TEL]0138-25-5552 [HP]http://www.hakodate.ne.jp/kamada/

参考資料「名産・珍味全国うまいもの」富士書店刊

北海道地方

東北地方

関東地方

中部地方

近畿地方

中国地方

四国地方

九州地方

沖縄地方