全国うまいもの
千葉県
【県庁所在地】千葉市【地方】関東地方
【人口】6,195,643人(2012年4月1日現在)
【特産品】醤油、落花生、サンマ、アサリ
【県花】菜の花【県鳥】ホオジロ
【県木】マキ【県魚】タイ
関東地方南東側に位置する県。三方を海に囲まれ県土の大部分が房総半島に含まれる。起伏が少ない地形で可住地が多く、都心部に近いためベッドタウンとしての開発が進んでいる。東京湾沿岸の広大な埋立地には京葉工業地域が広がる。農漁業も盛んに行われており、農業産出額・漁業総生産量とも全国有数。臨海部には東京ディズニーリゾート、幕張新都心などの大型施設が立ち並ぶ。

かつお佃煮【かつおつくだに】
あっさりした醤油味
銚子は日本でも屈指の漁港である。ここではカツオをはじめサンマ、イワシ、マグロなど主に近海物だが、漁獲量は全国でもトップクラスだ。
また、銚子は古くから醤油造りが盛んである。その醤油を使った佃煮は味の良さで定評がある。
天保8年に創業した銚子港・今津徳兵衛商店は、ウロコボシの銘柄で百年以上も醤油を造っている。その一方で、明示時代からカツオの佃煮も手掛けてきた老舗である。
製法は、とれたてのカツオの頭、尾、内臓を取り除き、ぶつ切りにして大釜で煮立てる。煮汁は醤油と砂糖、それにアク抜きのために月桂樹の葉と生姜を入れてつくったもの。はじめ薄口醤油でさっと茹でて臭みを取り、大釜に移して二時間ほど煮立てる。出来上がったものは味を落ち着かせ、風味を出すため一週問寝かせる。
あっさりした醤油味。噛むほどにカツオの風味がただよう。
【お問い合わせ】
今津徳兵衛商店 〒288-0062 千葉県銚子市竹町1513
[TEL]0479-22-0701 [FAX]0479-22-0720 [HP]http://www.tokube.com/
鯨たれ【くじらたれ】
栄養満点の保存食
房総半島の和田浦にクジラがあがることは、あまり知られていない。房総沖は暖流の黒潮と寒流の親潮とが交互に往復するため、獲れる魚の種類はいたって豊富。その中にクジラも数えられる。漁は6〜7月にかけて行うが、漁場は和田浦港から約300マイル離れた伊豆・大島の手前あたりだ。
和田浦のクジラはツチクジラという種類だ。これを浜にある解体場で総勢15人で3時間かけて一頭のクジラを解体する。この種のクジラは背肉の脂が少ないので刺身にはならない。上質の部分はステーキ用にするが「南蛮漬」にして焼くのが一般的。また醤油で煮るときは、一度茹でてから臭みをぬくためにシソ、ショウガなどの薬味を入れる。
珍しい加工法に石井魚店の「鯨のたれ」がある。腹肉を干した一種の干し肉だ。切り身を薄塩で漬けたあと、天日に干せば出来上がる。
栄養価の高い保存食で隠れた名品のひとつ。火で炙り醤油味で食べる。和・洋酒のどろらにも合う。
【お問い合わせ】
石井魚店 〒299-2703 千葉県安房郡和田町下仁我浦168
[TEL]0470-47-2114
鮒すずめ焼【ふなすずめやき】
焼いた姿がおもしろい
「すずめ焼」はフナ料理法のひとつで、背開きにした小ブナを串に刺して焼いた姿が、スズメの照焼に似ているところからこの名がついた。香取市と霞ケ浦にはさまれた水郷地帯は、淡水魚の宝庫であり、釣りの名所でもある。
「鮒彦総本店」では、この一帯で獲れる5cmほどの小ブナを使っている。まずフナを背開きにし、内臓を取り除き、水できれいに洗ったあとは串に刺して焼く。串に刺す数は普通は2〜3尾。うんと小さいものは6〜7尾。これを備長炭の火で焼き、タレは二度つける。二度焼きされたフナは味がよくしみこんで臭みもなく、丸ごと食べると風味がある。
他につぎの製品もある。「鮒甘露煮」「ワカサギいかだ焼」「エビ鬼がら焼」「ハゼ佃煮」。食べるときは、そのままご飯のおかず、酒の肴にする。
【お問い合わせ】
鮒彦総本店 〒287-0003 千葉県香取市佐原イ496
[TEL]0478-54-1202
玉黄金らっきょう【たまおうごんらっきょう】
歯切れ満点の美味
シャキシャキとした歯あたり、口中に広がる甘酸っぱさ、まさにラッキョウ漬の醍醐味である。
享保年間に創業した「コミヤ味工」の「玉黄金らっきょう」は、全国にその名が知れわたっている。当店で原料にするラッキョウは印旛、佐原一帯でとれる大粒のもの。これは8月に種をまき、翌年の6〜7月にかけて収穫する。
薄塩で約5か月下漬けしてから、茎と根を切り落としー粒ずつ形を整える。つぎに洗って皮をむき、大人の親指ほどの大きさにする。仕上げは天然酢、砂糖、ハチミツをまぜた調味汁に10〜15日間ほど漬ける。出来上がった製品は、形、色つやとも抜群でまろやかな味を醸し出している。小粒の花らっきょうとは違った土の香り豊かな田舎の味である。
ご飯、おやつ、お茶うけによい。夏は冷やして食べれば美味倍増。
【お問い合わせ】
コミヤ味工株式会社 〒294-0032 千葉県館山市笠名1575
[TEL]0470-22-2238 [FAX]0470-22-1737 [HP]http://www.komiyamiko.co.jp/
参考資料「名産・珍味全国うまいもの」富士書店刊