全国うまいもの
秋田県
【県庁所在地】秋田市【地方】東北地方
【人口】1,063,794人(2012年9月1日現在)
【特産品】ハタハタ、稲庭うどん、いぶりがっこ
【県花】フキノトウ【県鳥】ヤマドリ
【県木】秋田杉
東北地方の日本海側に位置する県。米どころであり酒どころである。コメの産出は北海道、新潟県に次いで全国3位で、日本酒生産は、兵庫県、京都府、新潟県、愛知県に次いで全国5位。伝統的な民俗行事のなまはげ、日本三大うどんのひとつ稲庭うどん、屋久島とならんで日本で初めての世界遺産に登録された白神山地などが有名。

いぶりがっこ【いぶりがっこ】
たくあんのくんせい
燻雅香と書いて「いぶりがっこ」と読む。一言でいえば「たくあんのくんせい」だ。昔は各家庭で作ったものである。いぶりがっこに使う大根は、秋に採れる青頭(あおがしら)と呼ばれる原種大根を約20日間天日に干し、これを10〜12本のわらで束ねて3ヶ月近く囲炉裏(いろり)の上にこしらえた火棚につるしておく。囲炉裏の煙でいぶされた大根は木の香りがしみつく。そして漬け込む3月になると、60cmほどもあった青頭はひからびてゴボウほどに細くなる。これを塩と糠に一週間ほど漬けたものが「いぷりがっこ」である。
しかし最近では、この地方でも囲炉裏が家庭から姿を消した。そこで雄勝特産では、専用のいぶし小屋のなかで「いぶり漬」をつくっている。小屋の天井に並ペた干し大根をナラとアカシアの生木でいぶしたあと、塩と糠で一週間漬け、さらににおいを消すために酒粕に20日間漬けてでき上がる。
ご飯のおかずやお茶漬けにもよい。
【お問い合わせ】
雄勝野きむらや 〒019-0112 秋田県湯沢市下院内字常盤町91
[TEL]0183-52-3650 [FAX]0183-52-4570 [HP]http://www.iburigakko.com/
きりたんぽ【きりたんぽ】
言わずと知れた秋田名物
北秋田地方の代表的な郷土料理。秋田の新米をモチになる一歩手前までつき、杉串に巻いて囲炉裏の遠火でじっくりあぶったもの。「きりたんぽ」の名は、その形がたんぽ槍の穂先に似ているところからついた。もともとはマタギ(猟師)の携帯食で、獲物を追って山中深く分け入る時は背袋に必ずこのきりたんぽを入れていくという。山中の沢水を沸かし、獲れた獲物の肉でスープをとって、近くの山菜や茸をぶち込み、煮上がったところにキリタンポを入れるとでき上がり。手間がかからず保存がきき、しかも腹持ちがするきりたんぽ鍋は、酷寒の山野に生きるマタギならではの野趣にあふれた郷土料理だ。地元の人たちは比内鶏と舞茸を入れないと本当のきりたんぽではないという。しかし、普通の鶏や他のキノコを使っても一向にかまわない。
薄味の醤油で味付けした鶏ガラスープの中に野菜を入れ、キリタンポは2〜3つに切って最後に入れる。
【お問い合わせ】
タンポヤ林 〒010-0825 秋田県秋田市柳田馬上田4
[TEL]0188-33-8473 [FAX]0188-32-3356 [HP]http://www.e-tanpo.com/
たまり漬【たまりづけ】
さっぱりした漬物
秋田の横手地方には有名な漬物が二つある。どちらも時間とお金を惜しまない豪勢な漬物である。その一つは小ナスを使った「ふかし漬」。ナスと同量の麹とふかし米と糠、塩で漬けたもの。最近は小ナスの高騰によって大量生産の流通コースにのらず、そのほとんどが自家用になった。
もう一つは横手自慢の「チョロゲたまり漬」だ。味噌を作るときにできる醤油に珍味のチョロゲ(横手地方で採れる根菜の一種)青がらし大根、人参、シソを一年あまり漬け込んだもの。一般にいうたまり漬はたまり醤油をとって漬けるが、横手たまり漬は味噌樽の中に直接漬け込むのが大きな特色だ。このようにして約1年間漬けておくと、野菜が味噌のエッセンスを吸い取ってしまい、味噌は使いものにならなくなる。この横手たまり漬を一度食ペたら忘れられない味になるだろう。 古いものほど極上品。
適当な大きさに切り、ご飯に最適。日本酒にもOK。
【お問い合わせ】
近野商店 〒013-0018 秋田県横手市本町4-11
[TEL]0182-32-5643
参考資料「名産・珍味全国うまいもの」富士書店刊