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寒露の頃
「目黒雅叙園」 加藤 允人
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絵献立 お品書き
【前八寸】 栗の鬼皮を剥き、水に重曹を入れて一晩漬け、灰汁を抜きます。煮ては晒すを三度ほど繰り返し、掃除もします。砂糖を数回に分けて蜜煮とし、醤油・ブランデーで香り付けをします。水100cc、砂糖300g、卵白1個を合わせて淋を作ります。薄塩の生ハムを拍子木切りにし、薄くスライスして一塩した紋甲烏賊を巻いて焼きます。ドライパン粉に烏賊墨をクイジナートで合わせ、黒いパン粉を作り、先の烏賊に卵白を塗りまぶして再度焼き上げ、庖丁します。鱚は三枚におろして皮と骨を取り去り、片栗粉を打ちながら当り鉢でのばします。練り雲丹を卵黄でのばし、先の鱚に塗って庖丁し、小麦粉を打って油で揚げます。全卵10個、卵黄20個、生身500g砂糖230gで厚焼玉子の生地を作り、八方地で炊いた木耳、絹さや、人参を混ぜて焼き、小角に庖丁し、再度全面を焼き上げます。自家製唐墨を青寄せ衣を付け、油で揚げます。海老芋は追い鰹をして八方煮とします。裏漉しして海老芋半分の量の吉野葛を水で溶いて加え、火にかけて練り流し缶に流します。柚子味噌を鞍掛けします。床節は、酒・水・醤油・味醂・砂糖で蒸し煮とします。煮汁にてゼリー地を作り、冷やし固めます。無花果に帯状に庖丁したサーモンを衣せます。
【椀盛】 きんきは三枚におろして身に塩を当て、2時間置いて洗います。頭と中骨は強めに1時間塩をした後、水・酒・爪昆布を入れて出汁を取ります。絹豆腐は庖丁し、バーナーで火取って八方地で味を含ませます。大黒占地は吸地で炊きます。鰹出汁にきんきの出汁を2割ほど入れて吸地とします。
【造り】 茂魚は三枚におろしてそぎ身とし、70度のお湯で洗います。伊勢海老は上身として庖丁し、酒で洗って氷水で締めます。丸籠に拍子木切りした独活を敷き、茂魚はレモンを割山椒釜に盛り、伊勢海老をのせ、公孫樹の葉を添えます。本膳醤油と梅肉醤油で進めます。
【焼肴】 甘鯛は水洗いして三枚におろし、塩を当てて黒胡椒を多めに振って焼き上げます。車海老はのし串を打って油で揚げ、身の部分の殻をきれいに外し、塩をして元に戻します。松茸は酒塩にて焼き、丸十は太鼓型に庖丁して油で揚げます。温石に柿の葉を敷き、彩りよく盛り込み、酢橘とちり酢を添えて供します。
【温物】 肉厚の鱶鰭を水・日本酒・紹興酒・葱・生姜・鶏油と共に2時間ほど蒸し器で戻して掃除した後、頂湯スープに醤油・オイスターソース・酒・紹興酒・砂糖・葱油・鶏油で味を整えた地で30分ほど炊きます。すっぽんはばらし、水・酒・爪昆布にて50分ほど戻し、骨から身を外します。身は醤油・味醂で煮ころがします。蕪を釜にして八方出汁で直炊きした物の中に、すっぽんの身を入れ、出汁2、スッポンスープ1で合わせた玉地で蒸します。たっぷりの鼈甲餡を掛け、揚げ銀杏を散らして供します。
【油物】 鱧は水洗いして骨切りします。乾燥させた慈姑を粉状にしたものを卵白にくぐらせた鱸に刷毛できれいに打ち、串を打って油で揚げます。南高梅は酸味を残して戻し、白扇衣で油で揚げます。
【強肴】 毛蟹は塩茄でして殻から身を取り出し、むしります。巨峰とマスカットは湯剥きして半分に庖丁し、それぞれを彩りよく盛り、幸水をおろしてレモン汁と土佐酢で味を調えたものを掛け、茗荷を添えます。
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