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如月の御献立
「神田 菊花石」 千田 俊一
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絵献立 お品書き
【先附】 海鼠は両端を切り、ガーゼを巻いた割箸で中を掃除した後、茶振りをして柔らかく戻します。戻した海鼠は出汁・薄口醤油・酢・味醂を合わせ、漬け込みます。使う時にスライスをして器に盛り込み、天にとろろを掛けます。
【前菜】 五色豆は、とら豆、うずら豆、金時豆、白金時豆、大豆をそれぞれ水で戻し、炊き上げて升に盛り、まわりに紅白の紙を巻きます。鰯卯の花寿司は、鰯を三枚におろし、骨を抜いて塩を20分当て、酢に15分漬け込みます。卯の花は、おからを掃除して鍋にて移し、砂糖・塩・黄身・酢を入れて煎り上げ、鰯の卯の花寿司とします。絵馬厚焼は生身、鶏卵、砂糖、薄口醤油を合わせ、オーブンで焼上げ、絵馬の形に切ります。鬼面人参は、人参を鬼面に剥き、下茄でした後、味噌漬けにします。才巻海老はつの字の塩茄でにします。独活金棒は、独活を剥き、味塩に漬けます。出す時に黒胡麻を付け、それらを盛り付けて柊を添えます。
【御椀】 白子豆腐は、白子を霜降りして裏漉しをし、葛と昆布出汁で合わせて錬り、薄口醤油・塩・味醂で味を調え、流し缶にて冷し固めます。適量の大きさに切り、吸地で軽く炊いた白菜で包みます。雲丹は塩を当て、蒸し器で蒸します。占地は茄でて吸地に漬けておきます。白菜摺り流しは、白菜の芯を茄でて吸汁強の汁で炊き、ミキサーに掛け、鰹出汁、牛乳フレッシュミルクを合わせて鍋に入、塩・薄口醤油で味を調えます。それらを椀に盛り付けてから張ります。
【造り】 虎魚薄造りは、虎魚を水洗いして三枚におろし上身にして薄作りにします。鮪は作取りしたものをそぎ作りにして盛り付けます。
【焼物】 金目鯛は三枚におろし、上身として適量の大きさに切り西京味噌に漬け込みます。蕗の薹は良く水洗いをして、重曹を入れて茄で、よく晒してある程度、苦味を抜いた後、鍋にて水・醤油・砂糖で味を調え当座煮とします。こごみは茄でて吸汁に漬けておきます。胡桃は鍋で良く煎り、当り鉢にて当たり、薄口醤油・砂糖で味を調えます。
【煮物】 海老芋は皮を剥き、鍋にて戻して薄口醤油・味醂・砂糖で味を調え含ませます。竹の子は糠を入れて戻し、含ませます。鮟肝くわ焼は、鮟鱇の肝を良く晒して血を抜き、水気を取ります。鍋にくわ焼の汁を作り、鮟肝にくず粉をまぶして中に入れます。それらを器に盛り付けます。
【揚物】 春皮揚げは、蕨を灰にて灰汁を抜き、たらの芽、うるい、エリンギを適量に刻みます。鮑は蒸し器にて柔らかく戻し、千六本くらいに切り、それらを春皮に包み油で揚げ、それらを盛り付けます。
【寿の物】 千枚かぶらは、天蕪をスライスして塩水と混布を入れて柔らかく戻し、甘酢に漬けて置きます。後、器の大きさにあわせて丸に抜き蟹のさばき身を挟み盛り付けます。
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