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一月の絵献立[一]
初春三重の幸
「銀座 三重の海」 清水 久雄
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絵献立 お品書き
【先附】鮑方年煮は、鮑を殻から外し良く洗い、水、酒にて5時間程戻した後、砂糖・醤油にて味を調えます。萵苣薹は味塩漬けとし、松葉に庖丁します。大根・パプリカは同じ大きさの霰切りとし、薄い甘酢に漬けます。海老共和えは、海老の頭・皮を取り糸作りとし、軽く塩をして置きます。頭の味噌を取り出し、塩を3時間してから裏漉しし、海老と和え、大原木長芋の上から掛けます。
【御椀】鯛は三枚におろし、皮付きのまま小串に庖丁して軽く塩をしてから焼きます。中骨を遠火にてじっくりと焼いた物を二番出汁の中に入れ、蒸し器の中に40分程入れ、吸地出汁を取ります。天王寺蕪は扇面に庖丁し、湯をした後、先の鯛の出汁にて含ませて置きます。
【御造り】三重県安乗漁港に水上げされる河豚を使用し、薄作りにします。鮪は作取りして引作り、墨烏賊は上身にして庖丁目を入れ、短冊切りとし紅白として盛り付けます。
【煮物】伊勢海老曙煮は、伊勢海老の頭を取って置いた物を叩きつぶし、玉葱、人参などと共にスープを取り、先に伊勢海老の頭を焚いた後で上身にした身をさっと焚き、共餡を上から掛けます。蕎麦がきは、蕎麦粉に熱湯を入れ、練った物を一口大に取り、サラダ油にて揚げます。
【中皿】白魚はレモン汁を入れた湯にてサッと湯をして置きます。菜の花の茄でた物と白魚を盛り、薄い土佐酢に柚子胡椒を入れた物を上から掛けます。天にイクラを盛ります。
【焼物】松阪牛はヒレの部分を用いて塩をして強火にて表面を焼き、蓋付きの器に熱がとれるまで入れて置きます。僕する時に遠火にて温めてから庖丁して盛り付け、上から白髪セロリを盛ります。
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