トップへ戻ります
永朋舎について 賛助店めぐり 店鋪一覧 お問い合わせ
会社案内 今月の献立
今月の絵献立
前頁に戻ります 中川 英紀
][][

十二月の絵献立[一]
臘月の宴
「水戸 山口楼」中川 英紀
次頁に進みます
絵献立 お品書き
【温向】鯨のコロを糠、鷹の爪を加えてもどし、短冊に庖丁します。大黒湿地は酒塩で洗って炙り、縦半分に切り、水菜は塩茄でにし、3cm長さに切り揃え、出汁・赤酒・東丸醤油で浸し地を作り、先のコロを含ませます。供する直前にコロを温め、占地、水菜を加えて一煮立ちさせ、温めた器に盛り、繊切り柚子を天に添えます。
【前菜】上質の牡蠣を剥き、貝柱を外して酒塩で洗い、水気を拭き取り荒叩きします。塩加減して毎日かき混ぜ、一週間程して味が馴染んだところで用い、針生妾を添えます。上身にしたふくを二枚引きにします。白柴漬を極みじんに切り、山葵のみじん切り、煎胡麻を加えた鮨飯にて手毯にします。活巻海老の背腸を抜き、酒・赤酒・出汁、東丸醤油で薄味に合わせた地にへぎ生姜を加え艶煮にします。後、殻を剥いて背に庖丁を入れ、レモン汁を落としてキャビアを乗せます。蓮根の皮を剥き、鉄鍋にて色を染め、薄口八方に含ませた後、水気を切ってさっと蒸し上げます。玉味噌に赤梅肉を加えた梅味噌を作り、先の蓮根に射込み、黄味揚げにします。唐墨を角に庖丁し、千代呂木を掃除して茄で、白梅酢を加えた甘酢に含ませた物と松葉に刺します。六方に剥いた慈姑を山梔子で色付けし、蜂蜜を加えた蜜に含ませます。蚕豆の皮を剥き、中温のサラダ油で揚げ、良く油を切って素塩を振ります。
【椀替り】ふくの白子を一口大に切り、酒・塩でもみ込み、ぬめりを取った後、汲み上げ湯葉、戻した早竹の子を切り、合わせて蒸し上げます。吸出汁に少し濃いめに葛を引き、山葵を添えます。
【造り】鮪とろを作取りして引き造りにします。寒平目を水洗いし、上身にしてへぎ作りとして重ね盛りにします。平目の縁側は1cm幅に切って器に盛り、紅卸し、鴨頭葱を、とめポン酢を少々落とします。
【焼物】赤鮭は水洗いし、三枚におろして腹骨をかき、中骨を抜いて薄く塩を当てます。庖丁して、金串を打ち焼き上げます。大根は太い線に切り、菜軸は小口切りにして合わせ塩を振り操みます。天地に昆布を挟んで押します。酢橘、山葵、酢取ったはじかみを添えます。※この料理は茨城県北部(太田金砂郷地区)で塩引き鮭と焼くずし大根漬を混ぜ、濃口醤油をかけ混ぜ、食する郷土食を土台に置きました。
【焚合】牛ヒレ肉を角切りにして酒・水、長葱、へぎ生姜を加えて戻し赤酒、東丸で含ませます。色紙に剥いた蕪、輪人参を下茄でし、牛の地を加えた物で薄口八方にて含ませます。菊菜の葉を2cm長さに揃えて塩茄でした物を濃いめの吸出汁に浸して置きます。柚子胡椒、針柚子を添えます。
【揚物】海老芋は蒸し上げて身を裏ごしし、鮟肝塩蒸しを包み、引上げ湯葉で巻き、薄衣で揚げます。野菜も薄衣で揚げ、素塩を振ります。鮟鱇の柳肉を大きめにへぎ切りとし、関原たまり1、赤酒1、酒0.5の地に5分程浸した後、水気を拭き取り葛粉を付けて揚げ、香母酢を添えます。
【食事】常陸秋蕎麦の一番粉を用い、手打ちそばを作ります。1分程茄でて冷水で締め、再度熱湯に通して器に盛ります。大根、人参、蒟蒻、赤ずいきを各々戻して3cm長さに切り、蕪は2cm長さに切ります。鍋に油を引き、潰した豆腐を妙め、先の材量を加えて妙り上げます。出汁10杯、味醂1杯、濃口醤油1.2杯の割の出汁を加えて含ませた汁を蕎麦に張り、塩茄でした丘ひじきを切り揃え、天に盛ります。
[▲上へ戻る]

Copyright (C)2004 EIHOSHA.All Rights Reserved.