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十月の絵献立[二]
名月の頃
「銀座よしかね」 佐々木 勇吉
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絵献立 お品書き
【先付】白子200g、吉野葛100g、昆布出汁8杯を合わせて練り、流し缶に流して冷やし固め三日月形に抜き、うさぎ海老を添え、煎り銀杏、菊菜、菊花、割ポン酢で進めます。
【前菜】鮎は白焼きして青板昆布で巻き、水・酒・酢少々で戻しながら、砂糖・味醂・醤油・溜り醤油で味を調えます。鱚は三枚におろし、酒盗・酒・東丸・味醂・昆布出汁を合わせ火を入れて漉し、付け焼きとします。鮑は磨いて塩を振り、大根をのせて2時間蒸します。合鴨は針打ちして焼目を付け、酒3、味醂2、水1、東丸0.5、醤油0.5のあわせ汁にて13分間蒸します。蟹味噌一缶、出汁1合を粉ゼラチンにて寄せ、東丸・味醂で味を調え、レモン釜に流します。サーモンとチーズを海苔で市松に仕上げます。
【お椀替り】鱧は開いて上身にし、骨切りして湯引きとします。松茸、海老、銀杏、三つ葉を土瓶に入れ、吸地を張って蒸します。酢橘を添えます。
【お造り】鯖は三枚におろして上身にした後、〆鯖とし、赤貝、烏賊、鮪は適量に庖丁して盛り込みます。芽物を添えます。
【焼物】秋刀魚は三枚におろし、上身にして薄塩にて西京味噌に一晩漬けた後、串打ちして焼きます。平貝は殻から身を外して黄身焼きとし、黒胡麻を振ります。
【酢の物】蟹身は湯をした菠薐草で巻き、菊花を中に入れ、桂に剥いた大根、胡瓜、人参は塩水でしんなりさせ、土佐酢に漬けた後、先の蟹身を巻き込みます。後、適量に切り黄身酢を掛けて供します。
【煮物】豆腐は絞ってクイジナートにかけて卵白でのばし、当り鉢に大和芋を入れ、塩・素にて味を調え、下処理した帆立、百合根、木耳、人参、玉蜀黍を入れて混ぜ合わせ、形を整えて油で揚げ、紙鍋に鈴人参、飛竜頭、若布、絹さやと共に入れて供します。
【揚物】巻海老は海老芋の小角切りを付けて豊年揚げ、鱚は刻み大葉をつけてゆかり揚げ、鮑は白扇揚げとします。丸い形のパンの中をくり抜いて揚げた揚げパンの中に、栗毬揚げ、紅葉パプリカ、公孫樹丸十、揚げ銀杏、芋煎餅を盛り付けます。
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